「同じ福岡出身だから、大丈夫です(笑)」
――松本先生は「涙が出るほどうれしかった。制作スタッフに感謝したい」とコメントするなど、荒牧監督にも信頼を寄せていたようですが。
松本先生に信頼していただけるように、たとえば「地元が同じ福岡なんで。先生、大丈夫ですから」ということはまめに強調しました(笑)。「CGのスーパーバイザーも実は北九州の出身なんで、福岡出身のトライアングルでやります」と伝えたりして。そのたびに先生には喜んでいただいたのですが、それが少しは信頼度向上性に役立ったのではないでしょうか。でもその程度じゃないですかね。
――荒牧監督はハーロックというキャラクターをどうとらえていますか?
今回の映画ではそういうシーンばかりではないですが、それでもやはりこうありたい、と言うカッコイイ男だと思います。
――松本先生の「銀河鉄道999」では、主人公の星野哲郎を助けに来る存在として描かれるなど、ハーロックをヒーローとして見る人は多いと思います。
みんながハーロックに期待しているのはそういうことだと思う。ワンポイントでやって来て、すごくかっこよく去って行くという。すごくおいしい役ですよね。でも、そのテーマで丸一本映画を作るのは、実は大変なことだと思いました。
――フランスではアニメ版「宇宙海賊キャプテンハーロック」の視聴率が70%を記録したといわれています。また、2011年に、フランスのアヌシー国際アニメーション映画祭で本作の制作報告会見を行った際には海外プレスが殺到するなど、注目を集めたそうですが、そういった海外での熱狂について実感はありましたか?
(製作の)東映アニメーションさんというのは、ヨーロッパや中国に支社を持つなど、日本のアニメ会社で唯一といっていいくらい、海外展開に力を入れている会社。アヌシーに行ったときも、30~40代ぐらいの方を中心に、ハーロックのファンが非常に多いなと感じました。特に女性のファンが非常に多い。
ハーロックが最初の恋人だったと熱っぽく語るフランスのお姉さま方までいらっしゃって、この時ばかりは責任重大だな、と思いました(笑)。それもアヌシーの映画祭に来ているようなアニメファンではなく、普通のお店に入った時に、お店のお姉さんがたまたまそういう話をする。フランスでも浸透していることを感じましたね。そうした方々がハーロックの何に期待しているのかはちゃんとリサーチしないといけないなと思いました。
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