CGアニメ界の巨匠が語る"ハーロック"像

荒牧伸志監督に聞く

松本零士原作の人気コミックを総製作費3,000万ドル、5年の歳月をかけて作りあげたCGアニメ超大作映画。総カット数1,400ショット、サーバー数896台、レンダリングに使用したマシン806台と、日本のアニメ史上でも破格のスケールと最新のテクノロジーを駆使して、伝説のヒーロー、ハーロックを“リブート(再誕)”させた。9月7日より全国公開されているが、海外でも熱狂的なファンを持つハーロックだけあって、世界76か国の国と地域が本作の配給権獲得に名乗りを上げたという。
物語の舞台は、人類が銀河の果てまで進出した時代。残されたフロンティアがなくなった人々は、還るべき場所=地球への居住権をめぐる「カム・ホーム戦争」を引き起こす。その大戦で英雄となったのがハーロックと呼ばれる男であった。しかし、ハーロックは終戦とともに姿を消し、ふたたび姿を現したときには宇宙海賊キャプテンハーロックとして政府に反旗を翻す存在となっていた。なぜハーロックは海賊となったのか?そして今、ハーロックの暗殺計画がついに発動された――。
監督は、『APPLESEED アップルシード』『スターシップ・トゥルーパーズ インベイジョン』の荒牧伸志。ジョン・ウーやジェームズ・キャメロンといった海外の一流クリエーターたちからも注目を集めるなど、気鋭の監督として国内外に強い影響力を持つ。荒牧監督に、CGアニメにかける想い、そしてハーロックの物語を作り出した裏側を聞いた。

――松本零士氏の「キャプテンハーロック」の映画化ということで、プレッシャーは感じませんでしたか?

松本先生にとって「キャプテンハーロック」はものすごく大事なキャラクター。作品としてきちんと仕上げなければいけないという意味での緊張感はあります。しかし、だからといってプレッシャーになるということはない。どの作品でもそうですが、僕はプレッシャーをあまり感じないんです。失うものは何もないので、自分が関わらせてもらって楽しいなという感じで毎回やらせてもらっています。

――松本先生とのやりとりはどうだったのでしょうか? 「ここだけは絶対曲げてくれるなよ」といったことはありませんでしたか?

そういうことは一度も言われませんでした。松本先生に会った時に「キャプテンハーロック」を作った時の思いを聞かせていただいたのがすべて。先生のハーロックに対する思いは、僕が10代のころからいろいろな活字を通じてかたっぱしから読んでいたので、その思いを改めて先生の口から聞かせていただいた。「あれは本当なんだ」と改めて実感することが出来た。それは本当に幸せな時間だった。

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