逆風の少年野球、競技人口減でも見えた希望

野球遊びの普及活動を元プロ選手がやる意義

西武ライオンズはこうした幼児相手の野球普及活動を3年前から続けている。さらに夏休みは公式戦終了後に、本拠地メットライフドームで小学生のティーバッティング体験も実施した。担当する事業部次長(当時)の市川徹は「まだ目に見える成果は上がっていないが、長期的に地道な取り組みをしていくつもり」と語る。

横浜DeNAベイスターズも以前から子ども向けの普及活動を行ってきたが、今年から「やきゅうみらいアクション」を開始し、『幼稚園・保育園 野球ふれあい訪問』を年100回、行う予定だ。10月20日にはティーボールを独自に改良したBTボールの大会である『DB.スターマンカップ 2017』を600人の児童を集めて横浜スタジアムで開催した。

NPBは12球団すべてが少年野球教室を行い、主として小中学生を対象に普及活動を行っている。これまでは「ユニフォームを着て、グラブをもって会場にやってくる」子どもを対象にしていたが、最近はそれより下の、「野球を知らない幼児」相手の取り組みが各球団とも本格化している。

高知の少年野球人口減に歯止めがかかった

子どもたちの本格化する「野球離れ」をいち早く報じたのは、「高知新聞」だった。高知県内の少年野球人口は2010年には1650人いたのが、2015年に1080人になった。2015年6月、高知新聞は「激減!県内少年野球」という連載を開始し、子どもの競技人口の激減に警鐘を鳴らした。そして、その背景を詳細に報じた。これは「野球王国」高知の野球関係者に大きなショックを与えた。

高知新聞の連載を担当した編集委員の掛水雅彦とは、執筆当時から連絡を取り合っているが、今年に入って「少年野球人口の減少に歯止めがかかったかもしれない」という知らせを受けた。1000人割れ寸前だった少年野球人口が、2016年、1000人台を何とか維持したというのだ。小学校低学年、幼児に向けた普及活動が功を奏したのではないかということだった。

高知での幼児向け野球教室では、まずは野球を楽しんでもらうことが主眼にある(筆者撮影)

早速、高知に赴いた。5月、高知市東部野球場で高知県少年野球大会が開かれたが、同じ会場で小学校低学年、幼児を対象とした野球体験イベントが行われていた。

福岡ダイエー・ホークス(現ソフトバンク)やオリックスのキャンプ地でもあった本格的な総合運動公園のサブグラウンドに子どもたちが集まり、軟らかいボールを使ってキャッチボール、ストラックアウト、ティーバッティングなどが行われた。

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