喫煙の満足感を抑え成功率6割超、日本初の“飲む”禁煙補助剤が登場


 禁煙治療に飲み薬が登場した。ファイザーの「チャンピックス」は、日本初の非ニコチン製剤。既存のニコチンガムやパッチ剤と違い、体内にニコチンを入れないのが特徴だ。スタート用パックには2週間分が入っており用量変更も可能。吐き気など副作用を併発することもあるため、医師の適正指導は必須。指定の約5800施設で処方される。

喫煙の快感は、脳内の受容体にニコチンがくっついた時点で得られる。チャンピックスは、ニコチンの代わりに受容体にくっつき、たばこへの切望感を軽減させる。画期的なのは受容体とニコチンとの結合を阻む点で、喫煙しても従来の快感を得られなくなる。このため「たばこがおいしいという認知が変わり、成功率は高くなる」(中央内科クリニック・村松弘康副院長)。発売前調査の禁煙成功率は65.4%という(服用後、第9~12週を通して1本の喫煙もない割合)。

日本の成人男性の喫煙率は46%と、先進国の中で断トツに高い。喫煙は肺ガンリスクが高まるなど、健康への害は言うまでもない。禁煙にチャレンジする人は増加傾向にあるが、禁煙補助薬市場は100億円にも満たないのが現状。しかし、ニコチン依存症を意志のみで克服するのは難しく、「喫煙者の7割が禁煙に失敗した経験を持つ」(ファイザー)。
 チャンピックスは保険適用。治療費は12週間で2万円弱かかる。たばこ約70箱分の出費だが、禁煙しても失敗を繰り返す人には、かえって安上がりかもしれない。
(前野裕香 =週刊東洋経済)

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