ダメな営業マンがわかっていない4つの心得 「御用聞き」で終わるかどうかの大きな違い
因数分解のクセがついていない人や、因数分解の粒度が粗い(=思考の深掘りが苦手な)人ほど、絶えずボヤッとした状態で課題を抱えているものです。課題が不明瞭では打ち手がわからないし、いくら頑張っているつもりでも結果につながらないため、モチベーションは下がるばかりで自信もつきません。
営業に限らず多くの人がこのような悪循環に陥っていますが、この悪循環もたった1分の因数分解で断ち切ることができるかもしれないのです。
(3)確率論的思考法
営業とは、初めから失敗の山から成果を生み出すことが運命づけられている職種です。普通の営業が100件テレアポをして1件成約できるのであれば、トップセールスでもせいぜい3件くらいでしょう。97件は同じように断られているのです。それなのに、多くの営業はテレアポですら、1件断られるたびに自分が否定されたような気分になって落ち込んでしまいます。
ここで有効なのが、数字のとらえ方を変えることです。日頃から数字を追っていて「100件かければ1件取れる」とわかっていれば、電話をかけるたびに「この会社はその1%の会社なのか、99%の会社なのか」とリトマス試験紙で調べていくような感覚を持つはずです。
たとえそこでどんなにきつい言葉で断られたとしても、一瞬、不快な思いはするかもしれませんが、すぐに気持ちを切り替えて「よし、この会社はリストから消せる。正解に一歩近づいた!」と前向きにとらえることができます。
これは少し大げさに聞こえるかもしれませんが、確率論という考え方が本当にしみ付くと「断ってくれてありがとう」くらいの感謝の気持ちが湧いてきてもおかしくはありません。
私はまさにこの感覚で仕事をしていたので、テレアポも飛び込みも苦ではありませんでした。いや、むしろそういったメンタルになれたのは「いかにしたら苦と感じなくなるか?」という仮説を洗練させ続けた結果かもしれません。苦痛と感じた瞬間に、手が止まったり、1件目や2件目にかけるまでもたもたしたりと、生産性が著しく落ちることがわかっていたからです。
もちろん、1%の確率を2%、3%と上げていく努力は絶えず続けないといけません。しかし、それも仮説ベースで改善策を考えて現場で検証していくわけなので、リトマス試験紙と何ら変わりはないのです。
仮説の基本的な立て方
(4)PDCAを回し続ける力
PDCAとは、ある目的を達成するときにPLAN(計画)、DO(実行)、CHECK(検証)、ADJUST(調整)というフェーズを循環させることで最大効率を実現する思考のフレームワークです。
ここで重要なのが、「P」=PLAN(計画)はすべて仮説だということです。今回はこの仮説の基本的な立て方を紹介します。全部で7つのステップがあります。
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