「ヘイト投稿」がネットで容認される不可思議

ソーシャルメディアはどう対応するべきか

ネット上のヘイト投稿やフェイクニュースはどこまで許されるべきなのだろうか(写真:Graphs/PIXTA)

ラスベガスの銃乱射事件発生からわずか1時間のうちに、自信たっぷりの見解や意見が出された。保守派のコメンテーターや活動家の中には、ステファン・パドック容疑者をリベラレ派、あるいはイスラム教と結び付けて話を進める人もいた。

右翼思想の強いラジオDJのラッシュ・リンボー氏はいまだに、パドック容疑者の思想の根底はイスラム国(IS)にあったとし、そのことをリベラル派メディアは隠蔽していると主張している。「なぜなら米国の左翼にとっては、イスラム武装テロなんて存在しないのだから」と。

また、社会保守派の活動家でテレビ伝道師のパット・ロバートソン氏は、今回の乱射事件はニュースメディアやリベラル派による「私たちの大統領に対する深い軽蔑」から起こったものだと語った。このような論調はほかにも見られた。

「犠牲となった人々には同情できない」

一方、こうした論調の対極では、米メディアCBSの部長級社員で弁護士のヘイリー・ゲフトマン・ゴールド氏が、フェイスブックのコメント欄でこんな発言をした。「私は犠牲となった人々には同情できない。カントリーミュージックのファンはしばしば共和党支持者で銃所有者だからだ」。彼女はこの発言を理由に、弁護士として夢だったに違いない仕事を失ってしまった。

数秒ではないにしても、せいぜい数分程度の労力で出されるこうしたコメントを各国の政府は気にするべきだろうか。こうしたコメントの多くは、人々に嫌な思いをさせる。

とりわけ、ゲフトマン・ゴールド氏のせせら笑うような冷淡なコメントがそうだ。その後、同氏は謝罪した。こうした一部のコメントは、親しい人が負傷したり、亡くなったりしたことから立ち直ろうとしている人々の不幸に追い打ちをかける可能性があるのだ。

米国においての一般的な見解は、政府がこうしたコメントとかかわりを持つべきではない、というものだ。政府にとって、こうしたコメントが喚起させるかもしれない怒りと、引き起こすかもしれない苦悩は、米国憲法修正第1項によって保護されているほぼ絶対的な権利「言論の自由」に従って、耐え忍ばなければならないものなのだ。

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