「民泊新法」で違法民泊問題は解決に向かうか 「年間180日の上限」は解釈や条例でも変わる

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新法に課題はないのだろうか。

「日数については、上限180日の計算方法(実泊日か営業日か)、実際のカウントの仕方などについては、詳細は決まっておらず、ガイドラインの制定が待たれるところです。また、民泊新法では、都道府県は条例により、日数の上限を削減することができるとされていることから、各都道府県の今後の動向には注意が必要となります。

他方で、年間180日を超えて営業を行う場合は、『旅館業』に該当するため、従前どおり、旅館業法の対象となります。

また、マンションの管理規約において民泊営業が禁止されている場合などには対象外となることから、今後、管理規約で民泊営業が禁止されるマンションが増えてくると思われます。

外国人旅行者が増加する中、宿泊施設の不足が解消されない場合には、無許可で年間180日以上の民泊営業が行われたり、管理規約で民泊営業が禁止されている物件で民泊営業が行われたりするなど違法な民泊営業が行われる恐れも否定できません。

違法民泊の問題の解決は、民泊新法の運用にかかっていると言えると思います」

「新法の成立で十分」ではなく、引き続き整備を

中島弁護士は、次のように呼びかけた。

「日本を訪れた外国人旅行者には、日本にやってきてよかった、と感じてもらいたいものです。民泊については、新法の成立で十分と捉えることなく、今後もガイドライン・条例などの整備も含め、宿泊者、事業者、近隣住民が不要なストレスを感じることのない仕組みを構築してゆくことが求められると思います」

中島 宏樹(なかじま・ひろき)弁護士
京都弁護士会所属。弁護士法人大江橋法律事務所、法テラス広島法律事務所を経て弁護士法人京阪藤和法律事務所京都事務所に至る。京都弁護士会:刑事委員会(裁判員部会)、民暴・非弁取締委員会、法教育委員会、消費者問題委員会、日本弁護士連合会「貧困問題対策本部」
事務所名:弁護士法人京阪藤和法律事務所京都事務所

 

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