知られざる中国人観光客受け入れの「黒歴史」 日本人が関与しない受け入れシステムがある
中国人観光客の数が今年に入って伸び悩んでいる。昨年トップで過去最高の年間637万人となったが、日本政府観光局(JNTO)による2017年上半期(1~6月)の集計では、実は前年比わずか6.7%増であり、ここ数年の倍々ゲーム(14年83.3%増、15年107.3%増、16年27.6%増)のような勢いが減速しているのは明らかだ。
「爆買い」と呼ばれた旺盛な消費力も陰りを見せている。すでに昨年の時点で、外国人1人当たりの消費額トップはオーストラリア客にとって代わられている(今年第2四半期も英国、イタリアに次ぐ3位)。個人レベルでみると、もはや彼らが日本でいちばんお金を落とす人たちではないことを観光庁のデータは示している。
受け入れる側と訪れる側の双方が問題に直面
これまでメディアは中国客の周辺で起きていた問題を散発的に報じてきた。ここでいう問題とは、受け入れる側と訪れる側の双方が直面しているものだ。
前者は、今年5月に沖縄紙が伝えた在日中国人による「白タク」増加や、近年大都市圏を中心に目につく「違法民泊」、中国のツアー客やクルーズ船の上陸客を対象にした「闇ガイド」の暗躍などだ。
後者は、多くの中国客が法外な値段で健康食品を売りつけられたという苦情から、中国メディアが警鐘を鳴らした日本の「ブラック免税店」問題だ。これは日本の評判を貶めており、中国客が伸び悩む理由のひとつとなっている。