「焦るな!」という一言が効く!
さすがは期待上司です。「できない理由を一方的に責める」のではなく、どのような“こと”が不安なのか?という言葉を使っている点、“出来事”にフォーカスするような聞き方をすれば、仕事のプロセスや中身の現状に目が向き、問題点への理解や対処方法が明らかになるというわけです。さらに「焦るな」という一言を掛けることで、頑張りすぎてしまう女性部下に「あなたらしく成果を出せばいい」と救いの手を差し伸べているのです。
さらに、こんなコメントも印象的でした。
「褒められるとうれしい! 気にかけてくれると、この人のために200%頑張ろうと思える」
そうなのです。誰だって“頑張ってるときにモチベーションを上げてくれる言葉が欲しい”シンプルだけど、そう思っているのです。もし部下に対して「褒める点なんてない!」と嘆くことがあっても、ぜひ褒められる点を探してください。部下の長所を発見するのも上司の役目ですから。
人は何かに取り組むとき、褒められたほうがより記憶に定着し効果的に結果を出せることを、生理学研究所の定藤規弘教授らの研究チームが科学的に証明しています。「褒められる」ことは、脳にとっても社会的な報酬になり、やる気につながるのです。そう、「褒めて伸ばす」は科学的にも証明されているのです。
もちろん褒めすぎは、人を調子に乗せるという危険もあります。そしてしかりすぎは、人格を否定し自信を失わせます。NHKの番組では、とある飲食店での売り上げ向上のために行われた覆面調査が取り上げられており、そこでは私たちの心を動かす黄金比率として「褒める:しかる=5:1」とありました。褒める分量が足りていないかもと気になったあなたは、この比率を意識してはいかがでしょうか。
ここまで書いてきましたが、いい上司と評判の“期待上司”にはどのような共通点があるのかをまとめると、
・部下のよい部分を見つけて、積極的に褒める(褒め上手である)。
・間違いを正すときは、冷静に淡々と具体的に指示をし、その後フォローがある(感情をむき出しにしない)。
・自分に非がある場合は素直に認める(誠実である)。
ピグマリオン効果を提唱したローゼンタール氏も、「人はつねに相手の期待に対し最も敏感に反応する」と言っています。常日頃から部下に期待していることを伝え、そしてそれを聞いて部下が行動する。その結果、顧客が喜び、チームがさらに活性化する。それだけにはとどまらず、何より女性部下自身もより成長できている。このポジティブな未来予想図を描けるかどうかこそ、“期待する”ということなのだと私は思います。
もし今回、自分は日頃からプレッシャーを与えているのかな?と思い当たる方がいらっしゃいましたら、この点を踏まえ接してあげてください。そして上期の締め日にはチーム全体が笑顔で達成していることを祈っております。
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