「日本サッカー」の現状、釜本邦茂が一刀両断 日本代表「得点力不足」の原因はどこにあるか

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――代表選手で誰に期待していますか。

全員に期待をしていますよ。原口(元気)、大迫(勇也)、久保(裕也)たちもいい歳になって中堅だからね。

釜本邦茂(かまもと くにしげ)/1944年生まれ。京都府出身。早稲田大を経て1967年ヤンマーディーゼル(現セレッソ大阪)入り。日本リーグ、通算202得点。1968年メキシコ五輪では、7得点をマークして得点王に輝き、日本チームの銅メダル獲得に大きく貢献した。日本代表Aマッチ76試合75得点。引退後はガンバ大阪などで監督を歴任。元参議院議員(撮影:佐久間秀実)

僕が1968年のメキシコオリンピックに出た時は24歳で1番下だったからね。

杉山さん(代表で釜本氏との名コンビだった杉山隆一氏)が27歳で3つ上やからね。そう考えると東京オリンピックの時は学生の選手がずらっといたな。

誰をチームの柱にするかやね。長谷部(誠)とか怪我してちょっと狂ったかもしれないけど、代わりはおるからやらせればいいと思うけどな。でも(柱にする選手は)海外で試合に出ていないといけない。 

――仮にW杯に行けなかったら、日本サッカー界にとってどれほどのダメージになりますか。

オーストラリアに負けたからといって、出られないわけじゃないでしょ。でも完璧に出られないとなった時に、サッカーへの熱がグチャっとなっちゃうよね。でも、なでしこ(日本女子代表)もそうだったけど、オリンピックに出られないっていうのがいちばん大きいね。日本ではワールドカップよりもオリンピックでしょ。

本田には倒れるくらいのトレーニングが必要だ

――海外組の話といえば本田選手がメキシコに行きました。

まぁ彼はもうちょっと動かないとダメだわ。あそこは標高2000メートルくらいのところでプレーしないといけないから、倒れるくらいまでトレーニングしないと、そういうとこでプレーできる身体にはならんよね。僕が昔メキシコ行った時なんかもちょっと走っただけでしんどかった。トレーニングを重ねていくうちにだんだん慣れていくよ。

――今話題の16歳、久保建英選手は釜本さんから見てどんなイメージですか?

失敗してもいいから自分のやりたいことをもっとやって、何が通用しなかったのかということを考えられるようにならんといかん。よく言っているのは、僕はボールがどう回ってきて自分がどう動いていくか『脚本を書いて点を取りに行っていた』ということ。どさくさに紛れてゴール前にいてボールが来たから蹴ったんやなくて。ボールの動きから「最後はどこでボールをもらうか」ということを計算してやっていたよ。

たとえばわれわれの時は、ボールを持って相手ディフェンダーが集まってきたら、相手が少ないサイドに素早く変えて、そこからボコボコ攻撃するというサッカーをやっとったな。ところが今のサッカーはサイドを変えてからまた元のサイドに返ってくるやん。

なんでそこで1対1になったら、行かないのか。自信がないから行かないんだろうけど。特に日本の選手は行かない。すぐボールを後ろに下げたりする。フォワードが僕だったら「何してるんや。なんでボール出してくれんのや」って思うよ。

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