あなたが言うように、女性活躍のテーマで社内プロジェクトが立ち上がると、育児と両立しながら働こうとする女性社員など当事者としての意見を持っていそうな人が、人選されることがよくあります。そして、ひがみもあるでしょうが、第一線で活躍している女性社員というより、「言いたいことがありそうな人」「参加させておいたほうがいい人」が選ばれているように見えることもある。だから、極端な言い方だけれど、選ばれるだけでフェミニスト、権利主張型、女を振りかざすタイプ、と認定されるような気分になってしまう人も、そう見てしまう人もいるでしょう。あなたの、性別に関係なく頑張りたい、という考えや、社内に示しているスタンスも、そんな見られ方に上書きされてしまうような気持ちになる、というのも、とても共感できます。
それにしても、女性が女性の働き方や生き方に言及すると、どうしてこんなにもやもやした気持ちにさせられてしまうのでしょうね。「女性」と名指ししたりされたりすることで、特別扱いを要求しているような、言い訳しているような、そんな気持ちになってしまうことがあります。特に、性差にかかわりなく成果を出してきた自負があったり、それを自分に課して努力してきたと思っていたりする人は、「女性だから」と思われることや、周囲の女性と同じようにくくられることを嫌がる傾向があるような気がします。女性という個性を目出たせないように必死に努力してきた証拠なのかもしれません。
もちろん決め付けるわけではありませんが、「女性活躍推進リーダー」になることをそこまで嫌がるのは、もしかすると、あなたが「自分が女性である」という意識から逃れられない、あるいはすごく懸命に闘っているから、ということもあるかもしれませんね。私はそんなふうに感じました。
引き受けるべきかどうか
あなたのご相談に戻りますが、まず、リーダーへの任命人事は、会社員であり、よほど不合理でないかぎりは、断れないと思ったほうがよいでしょう。たとえ、あくまで打診であり、正式決定の前に断ることができたとしても、その理由が「いやだから」「やりたくない」という子どもっぽいものでは、あなたがこれまでしてきた努力や評判も台なしです。あなたの気持ちは置いておいて、人事発令されてしまえば、受けるしかないと思います。
ただ、あなたの感じる懸念を整理して、事前に伝え、上層部とすり合わせをしておくことはできるでしょう。その際は、「個人的な価値観」「個人的な気持ち」は横に置いて、業務・仕事、ミッションとしての懸念ポイントを伝えるべきです。たとえば、「どのような成果をもってゴールとするのか」「数値目標は設定できるか」などのプロジェクトそのもののあり方、プロジェクトメンバーの人選に意見が言えるかどうかなどの運営に関すること、成果を報告するボードやプロジェクトオーナーの確認といった評価者のこと、通常業務との兼ね合いや評価のされ方などなど、実際に引き受けるとなれば確認したいことがたくさんあるでしょう。それらを整理したうえで、プロジェクトリーダーとなる自分にとってのメリットを考えてみるのです。
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