大奥「最大のスキャンダル」絵島事件は冤罪か 「真の黒幕」はあの人物?「政争」が生んだ悲劇

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Q7. でも、やはり「門限破り」はまずいのでは?

もちろん、門限破りはご法度です。

当日の絵島が帰城した時刻は、暮れ六ツ前の午後5時ごろとされ、本来大奥で働く女性に課せられていた門限の夕七つ(午後4時ごろ)を過ぎていました。

ただし、この日の絵島は「将軍の生母」の名代としての外出のため、こうした身分の人々の門限、暮れ六ツ(午後6時ごろ)が適用されていたはずだと思われます。

あいまいすぎる絵島の容疑

Q8. この「門限破り」をめぐって城門で大騒ぎになったとか?

いいえ。当日は騒ぎは何も起きていません。この門限破りを含む絵島の行動が問題視されたのは、実は「当日から20日も過ぎたあと」のことでした。

追及された内容も、絵島本人の門限破りではなく、随行したほかの女性たちが門限の4時を過ぎており、これが絵島の管理不行き届きだという「難クセ」のようなものでした。

Q9. さすがに役者との「密通」については大問題では?

こちらも「根拠の明らかでない後付けされたデマ」なのです。

絵島と生島新五郎ら関係者の取り調べが行われると、その追及は非常に厳しく、拷問に屈した新五郎は絵島との密通をついに「自白」(?)します。

一方、絵島は、3日3晩にわたる不眠での追及にも屈せず「否認」を貫き、ついに彼女の罪状には「不義密通」は含まれませんでした。

しかし、「密通」の世間へのインパクトは強く、このため事件はより内外から注目を集めました。

Q10. つまり、絵島は何者かに、はめられた?

その可能性が非常に高そうです。

一般的には、前将軍家宣の正妻である天英院が、家宣の側室だが現将軍の生母である月光院から、大奥の主導権を奪還するために画策したともいわれます。

ただ、両者の確執は否定しませんが、全大奥女性の楽しみである代参を、天英院が利用して事件化することは、その後に代参が規制対象となるリスクもあり、現実的ではないでしょう。

Q11. では、この事件はさらなる第三者の仕業であると?

はい。ちょうど同時期に流布されていた「もうひとつのスキャンダル」から、その真の狙いが見えてきます。

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