いちばんの原因は、「ゲームを子どもに持たせているということ」です。そもそも初めからゲームを持っていなければこのようなことにはなっていません。しかし、これだけ普及して誰もが持っている状況で、ゲームをわが子に持たせないと決断できる家庭は多くありません。「ゲームを持たせないほうがよかった」と今さら言っても現実的ではないということです。
そこでもう少し現実的なお話をしましょう。これまで非常に多くの親御さん、子どもたちと出会い、ゲームやスマホに関するテーマで話をしてきました。そこからわかったことがあります。それは、ゲーム機を持っている家庭にはいくつかのパターンがあるということです。
家庭でルールやペナルティを決めているか
1)ゲームを持つにあたり、家庭で約束事(ルール)を作る家庭と作らない家庭がある
まずは、ゲームを持つ段階で、約束事(ルール)を作る家庭と作らない家庭に分かれます。たとえば「ゲームは1日1時間まで」「勉強が終わったらゲームをやる」など、家庭によってさまざまなルールが作られます。もし、このルールを作っていなければ、子どものやりたい放題でしょう。子どもの目に余る行動が起きてから、後でルールを作ってもあまり効果はありません。最初が肝心で、初めに作らないとルールとしてなかなか機能しないのです。
2)家庭で約束事を作っていても、ペナルティを決めている家庭と決めていない家庭がある
次に、家庭でルールを作っていても、それを破ったときにどうなるのか、というペナルティについて決めている家庭とそうでない家庭に分かれます。たとえば、「このルールが守れなかったら、1週間ゲームを禁止」「このルールが守れなかったら1カ月間禁止」など、家庭によって決めている家庭があります。もしこのように、ペナルティを決めていなければ、「ルール破っても別に関係ないし」と子どもがルールを重視しない可能性があります。ですから子どもがゲームと上手に付き合っている家庭では、ルールを作った後に、それを守れないときのペナルティを決めています。
3)ペナルティを決めていても、それを実際に実行する家庭と実行しない家庭がある
さて、ペナルティを決めたところまではいいのですが、子どもが実際に、ルールを破ってしまって、ペナルティを適用するという段階で、それを実行しない家庭があります。つまり、「ゲームは1日1時間、もし守れないときは、1週間禁止」と決めていても、罰を与えるのはかわいそうだなどとなって、その1週間禁止を実行しないのですね。こうなると、子どもは「ペナルティといっても口だけ」という認識を持ち、悪い意味での“教育”を行ってしまうことになります。
このようにみてくると、岩崎さんの場合は、1)のルールはあるようですが、その後の部分でうまくいっていないということになります。つまり、子どものことを配慮してペナルティが実行できていないということですね。もし、あらかじめ子どもと一緒にルールやペナルティを作って実行していれば、もっとやりやすかったかもしれません。
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