中国の横暴を黙認する西欧外交の倫理的退廃

自由や人権を守る意識が後退している

ギリシャには、軍事政権に対する抵抗運動とともに育った政治家が多い。だが、財政難にあえぐ同国政府は、欧州連合(EU)が国際連合で中国の人権問題を非難するのを阻止した。

中国、とりわけ海運最大手の中国遠洋海運集団(コスコ)が重要な資金源になっているからだ。コスコは2016年8月、ギリシャ最大のピレウス港を買収している。チプラス首相は、中国に取り込まれたのだ。

外交政策の退廃が意味すること

同様の問題は、西欧の庭先でも起きている。ハンガリーのオルバン首相は「非自由主義的民主主義」(矛盾した言葉だ)を掲げ、難民排斥や市民弾圧を進めているが、EUは批判を控えている。ポーランドの政権与党「法と正義」は、司法の独立と報道の自由を骨抜きにすべく、法改正を進めている。

トルコはEU加盟国ではないし、エルドアン大統領による独裁的抑圧が続けば加盟国となることもなかろう。だが、EUは自由の抑圧に対し一段と寛容になっている。

このような外交政策の退廃は、西欧的価値の共同体であることを標榜するEUの立場を危うくしかねない。

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