医師を志す若者がハンガリーに進学する理由

日本の国家試験受験資格は外に開かれている

ハンガリーにあるデブレツェン大学。日本人学生も医学部に通っている

「医学部受験に失敗したものの、医師の夢をあきらめきれず仮面浪人をした。2度目の受験にも失敗し、今度こそあきらめようかと悩んでいたところ、母が新聞でハンガリーの医学部への留学案内を見つけて、チャレンジすることに決めた」

ハンガリーにあるデブレツェン大学2年生の日本人学生が話す。

『週刊東洋経済』が6月5日発売号(6月10日号)の特集「医学部&医者 バブル人気の実情」で追っているように、日本国内の医学部人気はかつてないほどに過熱している。その裏側で、海外の医学部へ留学する学生が増えている。中国、チェコなどいくつか留学先はあるが、「最も実績が多いのがハンガリーの医学部」(ハンガリー医科大学事務局の石倉秀哉専務理事)という。

海外の医学部に留学した学生の大半は卒業後、帰国して日本で医師を目指す。ただ、こうした学生が日本で医師国家試験を受けるためには、合格率10%前後の予備試験を事前に通らなければならないのが原則だ。ところが、ハンガリーにあるセンメルワイス、ペーチ、セゲド、デブレツェンの4つの国立大学は日本の厚生労働省の定める認定基準における教育年限や授業時間などの項目をみたしており、書類審査を通れば予備試験を受けることなく日本で医師国家試験の受験資格を得ることができる。

【6月12日15時追記】記事初出時の「ハンガリーにある4つの国立大学は日本の厚生労働省の認定を受けており、予備試験を受けることなく日本で医師国家試験の受験資格を得ることができる」という記述は誤解を招く恐れがありましたので、「ハンガリーにある4つの国立大学は日本の厚生労働省の定める認定基準における教育年限や授業時間などの項目をみたしており、書類審査を通れば予備試験を受けることなく日本で医師国家試験の受験資格を得ることができる」に修正しました。

年間70人程度の日本人医学生がハンガリーへ

実績のなかった当初は「本当に帰国後に医師国家試験を受けられるのか」と懐疑的に見られていたが、1期生が帰国して医師国家試験に合格した2014年以降、志望者が急増。4年前までは毎年30人程度だったのが、現在では年間70人程度がハンガリーへ旅立っている。

ハンガリーは古くから外貨獲得手段として国外から留学生を呼び込んでおり、受け入れ態勢は整っている。物価は日本の半分程度、治安もよく、生活は日本から派遣されているコーディネーターがサポートしてくれるので移民申請などの面倒な手続きや家探しも心配ない。自習室も完備され、チューターによる講義で授業内容の補習もできる。

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