「4代目ロードスター」をつくった男の頭の中 目指したのは運転が知らずにうまくなる車だ

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

――はい。

「NAを見ながら新型を作るのではなくて、初代を作った人たちが当時見ていたもの、目指していたところを自分たちも見据えていかないと」

――で、それはどういう?

「ライトウェイト・スポーツカー。アフォーダブル、つまり買いやすい価格であること。いまのクルマで、どうやってそれを実現するか」

――なるほど。

「ロードスターのコンセプトから外れたクルマにしないためには、変えるべきところは変えないと。"守るために変える"というのは、つまりそういうことです」

――んー……。

「たとえば、フロントのフェンダーについているターン・シグナル」

――はい。

「初代は丸形でした。NDは三角形。なぜ丸をやめたのかときかれますが、初代のときは、当時あったなかでもっとも軽量なポーター・キャブ用の部品を流用したんです。新規に型を起こすと、おカネがかかるし」

――そうだったんですか。軽トラ用。

「NDの場合も、そういう意味では同じです。既存品のなかからもっとも軽量なものを選んで使いました」

――なるほど。たしかにND、2015年に出た新型マツダ・ロードスターとしてはすごく、軽いです。軽かった。予想を裏切って、というか。

私もファンです

「ごぞんじかどうか、私自身、ロードスターの世界へはオーナーの立場から入りました。NAを買って、ファンになって。いまでももってます。NDと2台(笑)。NAに関しては詳しいですよ(笑)。開発のバックグラウンド状況とか」

――おー。

「就職先としてマツダを選んだのも、デザイナーとしてスポーツカーの仕事をやりたかったからです」

――晴れて念願かなったわけですね。

「NDのチーフ・デザイナーには、立候補しました。外形寸法を決める立場の人間として、コンセプトにも口出しをさせてもらいました」

次ページ知らず知らず運転が上手になるクルマ
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事