スバルの懐刀「アイサイト」は競争に勝てるか ぶつからないクルマが、また一歩進化した
「ぶつからないクルマ」は、デビュー10年目にさらなる進化を遂げた。
SUBARUは6月19日、運転支援システム「アイサイト」の改良版を発表。現在は「ver.(バージョン)3」だが、改良版は「アイサイト・ツーリングアシスト」という名前で展開する。今夏発表予定のステーションワゴン「レヴォーグ」やスポーツセダン「WRX S4」に搭載される。従来のぶつからないための自動ブレーキだけでなく、どんな速さでも「ついていく」機能を強化した。
新型アイサイトはどんな速度でもついていく
今回の主な改良点は、高速道路上で自動走行をする速度の範囲が時速0~120キロメートルとなり、自動運転支援の対象がアクセルとブレーキだけでなく、ハンドル操作にまで広がったことだ。渋滞時やカーブでも疲れの少ない走行ができるようになった。
アイサイトの特徴は、人間の目と同様に2つのカメラで構成される「ステレオカメラ」を使っている点にある。カメラが道路の白線と前方の車を認識し、アクセルやブレーキ、ハンドルの制御を自動で行う。前の車が速度を上げると、同じ速度でついていき、カーブもスムーズに曲がる。
これらに加えて、新しいアイサイトは渋滞時に本領を発揮する。前の車の動きに合わせてハンドルの切り具合を計算する制御ソフトの性能が上がり、低速でも自動で曲がれるようになった。
この進化の裏には、2つの機能の発展があった。車線の真ん中を走り続けるよう自動でハンドルを操作する「車線中央維持」の機能は、従来時速60~100キロの範囲でのみ可能だったのが、同0~120キロに拡大。前方の車に追従し、自動でハンドルを動かしながら走行する機能も、速度の範囲が広がった。さらに、前の車が動き出せば、停車していてもそれに追従して発進できるようになった。
ちなみに、日産が量産車に先行投入している自動運転技術「プロパイロット」の場合、自動走行の速度範囲は時速30~100キロのみ。スバルが一歩先へ進んだ形だ。
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