新生「スバル」の前に立ちはだかる米国の壁 環境規制あっても「走りの楽しさ」は保てるか
「社名変更は今日から新たなステップを始めるという決意表明。モノをつくるだけでなく、そこに込めた価値を訴えるために、もう一段の高みを目指す」
4月1日、富士重工業は社名を変更し、ブランド名と統一した「SUBARU(スバル)」として新たなスタートを切った。吉永泰之社長は、強い決意を口にした。
新生「SUBARU」の第1号車が発売
それから5日後。新生スバルの第1号車となる、小型SUV(スポーツ多目的車)の新型「XV」が発売された。国内での販売計画は旧型の2倍となる月2200台と野心的な数字を掲げる。
新型XVは国土交通省所管の評価機関が実施する衝突安全性能試験で過去最高得点を獲得、安全運転支援システム「アイサイト」を標準装備とするなど安全性能を高めた。にもかかわらず、最低価格は税抜きで200万円を切る水準に設定した。
スバルの試算では、2016年の国内SUV販売は45.2万台と、10年の倍の規模に拡大。牽引役はXVのような小型車で、ホンダの「ヴェゼル」がその筆頭格だ。高まる街乗りのニーズを重視し、XVには今回、排気量2リットルのモデルに加え、1.6リットルの入門車を新たに用意した。
「1.6リットルエンジンを載せられないか」。新型XVの開発が中盤に差しかかった2016年春ごろ、スバルの開発陣にそう提案したのは、同社の営業部隊だった。
営業が試算した収益計画であれば、二つの排気量を開発するために人員を増やしても利益が出る。開発陣からは「1.6リットルで(スバルらしい)動力性能を発揮できるのか」との疑問も挙がったが、「街乗りで十分に性能を発揮できる車に仕上げられると判断し、開発に踏み切った」(XV開発責任者の井上正彦プロダクトゼネラルマネージャー)。
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