生配信のギフティングに熱狂する人達の心理

前田裕二社長「現代で完成品はいらない」

――オーディエンスも含めて全員が「自分ごと」だからこそ、良質なコミュニティが生まれるんですね。単に有名な女性アイドルがやっても、ポイントを押さえていないとコミュニティ形成はうまくいかないのでしょうか。

気持ちいいくらい、ダメですね。これは「認知と人気の違い」と説明しているんですけど。いくら認知があって広くリーチしても、人気がなければエンゲージメント、つまり「絆」にはつながりません。真の意味で人気を獲得するためには、熱量の大きさ、自分を客観視できるセルフプロデュース力、観客が共感していくストーリー性が大切になります。

SHOWROOMでは、すべての演者の状況をレーダーチャートでつねに数値で分析できるようになっていますが、この中で「課金継続UU(ユニークユーザー)」という指標があります。先月から今月にかけて継続的にギフティングしているユーザーの、SHOWROOM内での相対的な増減数が出るのですが、これが減っていると明確にコアファンが離れている状況とわかります。

「最初の10人」を徹底的に大事にせよ

こういった場合は、新しく入ってきたライトファンばかりに目を向けていて、大切にすべきコアファンとインタラクションしていないということが多い。ファンビジネスでは、「最初の10人」を大切にすることがすごく大切です。たとえば、AKBのいちばん最初のライブって、7人しかお客さんがいなかったといわれているんですけど、その7人は今になっても「観客神(かみ)セブン」といって神格化されています。

また、8年前にAKBが売れてなかった頃に写真集を購入してくれた初期ファン向けに、10周年記念ライブの際には超VIPな「レジェンドシート」を作ったりして、初期の濃いファンを特別扱いしている。最初の10人を大切にすれば、次の30人も「自分たちも大事にしてもらえる」と認識するし、その次の100人も同じように感じてもらえる。

――それは大きな信用につながりますね。ただ、古くから応援している人にも徹底的に優しくすると、ファンの数が増えていくにしたがってコミュニケーションコストがかさんでしまうのでは。

ある程度のラインを超えたら、演者の1稼働当たりのプレミアを高めていく必要があると思います。いつも、ファンビジネスの形を整理するために、4象限を書くのですが。

ファンビジネスの4象限(図版:SHOWROOM)

縦軸はファンとの接触密度になっていて、上が「偶像」で下が「身近」。横軸はファンの数で、左から右に行くにしたがって多くなります。

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