TV+ネットは最強のメディアになれるのか

NHKが次世代サービスで先陣、放送と通信を融合

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放送と通信の融合というテーマは、20年ほど前に「マルチメディア」ブームが盛り上がった頃から、大学のメディア論の授業などでも取り上げられていたほど、テレビ業界にとって古くて新しいテーマ。この20年間、通信の代表選手ともいえるネットは、登場からどんどんと進化・発展を遂げ、伝統的なメディアの間に割って入る存在となった。広告を例に取れば、ネット広告市場は2007年に雑誌(出版)を、2010年には新聞を抜き、テレビに次ぐ存在となっている。

モバイルとSNSの普及でネットがますます台頭

ここ1~2年でみると、特にスマートフォンやタブレットなど、いつでもどこでもネットにつながるモバイル機器や、個人同士がつながって交流するソーシャルメディア(SNS)の普及などにより、一般的な消費者が伝統的なメディアに触れる時間は、確実に減っている。新聞や雑誌の代わりにスマホでニュースを読む。テレビ視聴の代わりにネットサーフィンをしたり、SNSでさまざまな人と交流して、情報を得たり、動画サイトで映像を見たり、というライフスタイルが若い世代を中心に、すっかり定着している。

いまだ圧倒的な影響力を持ち、企業が莫大な広告予算を投入するテレビも、この波にはあらがえない。テレビが今までどおりの姿を保つなら、少しずつでも確実にその力は弱っていく。

もちろん、そういった危機感からテレビ業界でも放送と通信を結びつけようとする試みはいくつかある。たとえば、ネットに接続できる機能を持ったスマートテレビやビデオ・オンデマンド、Twitterなどのソーシャルメディアと番組との連携などの取り組みがそうだ。

ただし、これらは本格的な放送と通信の融合という段階には至っていない。「スマートテレビは、放送とネットを切り替える機能を持ったテレビ。メーカー各社の仕様もバラバラ」(NHKの加藤久和メディア企画室専任局長)。ビデオ・オンデマンドにしても、番組を通信網に乗せてバラ売りしているにすぎないし、ソーシャルメディアとの連携といっても、番組上で視聴者のコメントを紹介している程度だ。

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