TV+ネットは最強のメディアになれるのか NHKが次世代サービスで先陣、放送と通信を融合
だからこそ、どのメーカーも放送事業者も同じ技術仕様で展開する、ハイブリッドキャストに対するテレビ業界の関心は高い。
NHKが21日に開いた会見では、ハイブリッドキャストの将来像を描いたプロモーションビデオが流された。たとえば、サッカー中継のときに選手の詳しい情報を調べたり、料理番組ではレシピを確認するだけでなく、外部のECサイトと連携して食材の手配をしたり、学習番組を双方向で楽しんだり、などといった姿が紹介された。
テレビメーカーにとっても期待の取り組み
テレビ局にとっては視聴者との接触機会を増やし、新たな収益モデルを描ける可能性がある。メーカーにとっても、地上波デジタル放送の移行以来となる新たな需要につながる期待もある。古くはVHSとベータ、記憶の新しいところでブルーレイディスクとHD DVDなどのように、日本国内での規格争いをしていない点は評価できる。
また、質の高い映像コンテンツをテレビ局以上につくれる企業はない。テレビを見ながら、関連する情報をネットで調べるという視聴者の行動は確かにある。
今のように高精細で大画面となったテレビが本格的にネットと連携すれば、“最強のメディア”になれる可能性はある。ただし、そのためには乗り越えなければならない課題も少なくない。まずは対応するテレビが普及しないと始まらない。東芝だけでなく、その他のメーカーでも早期に対応機種を増やし、一般的にしていく必要がある。
そしてカギは何といっても、メディア企業の生命線となるコンテンツだろう。番組はもちろん、それに付随してネット経由で提供する情報にいかに魅力的なものをそろえ、有機的に広がりを持たせられるかが重要だ。