テレビ局の敵か味方か、ガラポンTVの衝撃 過去90日の全番組、スマホでいつでもどこでも
――ガラポンTVの仕組みを教えてください。
関東ではNHK、NHKEテレ、日本テレビ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビ、TOKYO MXと8局の全番組が90日分自動保存され、保存された番組の中から、検索機能を使って見たい番組を呼び出せます。番組名だけでなく、番組内の字幕情報から呼び出すこともできるので、気になる言葉やはやりの飲食店名などをヤフー、グーグル検索するように番組検索して情報を集めることができるわけです。たとえば、「ベンチャー企業」で検索し、検索結果から見たい番組を選ぶと、番組の中でベンチャー企業が登場する場面から再生が始まります。
――大手メーカーが販売する「全番組録画機能付きHDDレコーダー」と同じようなものと考えていいのでしょうか?
地上波放送テレビ番組を一定期間すべて録画するという機能は同じですが、決定的に異なる点があります。大手メーカーの録画機は「テレビ」という端末で録画した番組を視聴することに重点を置いて作られています。一方でガラポンTVは、「スマホやアイパッドなどのタブレット端末、パソコンからインターネット経由で」視聴することを前提に作りました。そのため、“地上波放送をモバイル端末で見るために存在”するワンセグを録画します。ワンセグですから、ガラポンTVで録画した番組をテレビで見ると画質は通常より劣ります。ですが、データ量の軽さは携帯性、移動性を重視すると必須です。
ネットを敵とせず味方につける
――商談先に向かう電車の中のすき間時間を利用した視聴で情報収集するなど、ビジネスシーンでの活用もできますね。ただ、テレビ離れが進んでいる現状を考えると、番組録画機にどの程度のニーズがあるのか疑問です。
打開策は、「テレビ番組は面白いから見ないのは損だ」と多くの人に実感してもらうことだと考えています。現代社会は、生活スタイルや価値観が多様化していて、学校や職場でひとつのテレビ番組の話題で盛り上がるということが少なくなりました。インターネットに客を奪われていると感じたテレビ局は、ネットを敵だとみなしていた時期がありましたが、今はネットを味方につける方向に進んでいます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら