「会議の席で、大切なお取引先から、血が飛び散った資料で気味が悪いから取り替えてくれとクレーム。どうやらそれは、前日の準備のときに、紙の端で切ってしまった私の指の血……。後で上司からもきつく怒られました。お客様と上司からの信用がた落ち。なんで、前日、資料のチェックをしなかったのか、大後悔でした」(金融・28歳)
資料が準備できたら、次は会場の準備だ。前の会議の予約と次の会議の予約の間が一定時間空いているところ、詰まっているところ、いろいろな予約システムがあるが、可能であれば、会議が始まる15~30分前に準備にかかりたい。
まずは会議室のテーブルのセッティング。代表的な会議のレイアウトは、「コの字」「ロの字」「対面型」「スクール型」「アイランド型」の6つ。たとえば、ホワイトボードやプロジェクターを使う場合は、みんながプレゼンターやプロジェクターの映像などを見やすいコの字型にするし、少人数でじっくりと商談などをするときなどは、お互いの顔が見やすいテーブル同士を向かい合わせる対面型に並べる。
役職と席次をきちんと合わせて資料を並べる
レイアウトができたら、全員の席に、議事に沿って順番に資料を並べる。出席者の名札も並べる場合は、役職と席次をきちんと合わせる。当然、席次が頭に入っていなければ間違える。会議内容よりも、席次を気にする人もいる。それくらい重視されることなので、席次がわからないからと適当に並べることは、絶対にやってはいけない。
プロジェクターなどを使う場合は、ちゃんと動くかどうかチェックするのも、準備を任された新人の役割だ。また、ホワイトボ―ドを使うのであれば、マーカーがきちんと書けるかどうかもチェックする。
「そして大事なのは空調ですね。人間の心地よさには温度、光、音が影響しますが、中でも強く影響するのは温度。寒かったり暑かったりすれば、早く部屋から出たくなるので、実のある会議に発展しません。女性が多いときには少し温度を高めに、男性や建物の外から入ってくる出席者が多い場合は、少し低めに設定しておくといった配慮が必要かもしれません」(大蔵氏)
こうしてみると、会議の準備には、「段取り力」「確認する力」「先読みする力」など、社会人にとって基本となるさまざまな能力が必要なことがよくわかる。言い換えれば、会議の準備をすることによって、こうした力が鍛えられるわけだ。
もちろん、漫然と準備をしているだけでは、こうした力は身に付かない。何よりも大切なのは、会議がうまく進むようにと考えることだ。仕事に慣れ、そんな気持ちが湧いてきたら、ぜひ、積極的に会議準備の手伝いをしてみよう。
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