タイ人が名古屋の「甘辛い料理」に夢中なワケ 実はバンコクでは「名古屋めし」がブーム

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セントラルワールドには、愛知県一宮市に本社があるカレーチェーン「CoCo壱番屋」もある。日本国内ではファストフードっぽいポップな店の造りだが、ここでは一転、高級な雰囲気。流行に敏感なタイの若者たちの間では、オシャレして「ココイチ」へカレーを食べに行くのがステータスなのかもしれない。

あんかけスパのコショウは控えめ

ほかの店ではあまり見掛けない名古屋めしを提供しているのは、スクンビット通り39にある「名古屋飯&焼酎BAR 花かるた」。店内に入ると、カウンターの奥にズラリと並んだお酒のボトルが目を引く。なんでも、ウイスキーやバーボン、焼酎、日本酒など1200種類のアルコールがそろっているという。名古屋めしは15種類ほどメニューにあったので、まずは「みそやっこ」をアテに生ビールでのどを潤した。

店を切り盛りする水谷篤史氏は、バンコクへ来てから10年以上経つという。タイでは食べられる店がなく、自ら味を研究して作り上げたのが「あんかけパスタ」だ。ソースのとろみ具合やトマトの酸味、極太の麺はまさに、あんかけスパである。ただ、ガツンとくるコショウの辛さは控えめ。

「以前はコショウをきかせていたが、お客さんから辛すぎる、と言われたので……。もちろん、名古屋出身のお客さんではありません」(水谷氏)とか。

また、ここには熱々の鉄板で出されるイタリアンスパ、通称“イタスパ”もある。その名前だと名古屋以外の人には伝わらないのか、メニューには「ナポリタンスパゲッティ」とあった。しかし、英語表記では、「Naporitana spaghetti nagoya style」と、しっかり名古屋風であることが書かれていた。

熱々の鉄板に溶き卵が流してある「ナポリタンスパゲッティ」(260タイバーツ ※日本円で約780円)。名古屋の喫茶店ではおなじみのメニューだ(筆者撮影)
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