名古屋めしの「存亡危機」に地元が放つ大胆策 進化形の「豪華メニュー」が続々登場する背景
ひつまぶしや手羽先、味噌カツにあんかけスパゲティ……。「なごやめし」には、ほかの地域にない特徴的なメニューがそろっている。
名古屋駅界隈には数多くのなごやめしの店が軒を連ねるが、どこもビジネス・観光客で賑わっている。味も見た目も個性的なものが多く、名古屋観光においては“キラーコンテンツ”となっている。
しかし、名駅周辺の店と郊外などに構える個人経営の店とでは、かなり温度差がある。郊外の店には県外の客はおろか、地元民でさえ、特に若者はほとんど訪れなくなっているという。
「郊外では消費されない料理」になっていた
「お客さんは50~60代が中心で、若い方はほとんど来られません。味や価格には絶対の自信を持っているのですが……」。名古屋市千種区で味噌煮込みうどん店「山本屋 大久手店」を営む青木裕典さんは嘆く。
郷土料理は、地元民が長く食べてきたからこそ意味があるものである。観光客へのPRはもちろん重要だが、地元で消費されなければ本末転倒だ。
このような危機感を抱いた市民グループが昨年5月、名古屋の食文化を盛り上げようと、「なごやめし8(エイト)どえりゃこむ」という一大プロジェクトを立ち上げた。
「名古屋市の市章である『八』にちなんで、毎月8日を『なごやめしの日』として普及させる試みです。まずは毎月8日に特別メニューを用意したり、割引サービスを実施したりする店を募りました」と、経営コンサルタントの傍ら、グループの代表を務める前田紳詞さんは語る。
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