ドンキ「格安4Kテレビ」が速攻で完売した理由

5万4800円、なぜここまで安くできたのか?

実は、ドンキは2009年から液晶テレビのPB(自社企画商品)の開発を進めており、約10万台の販売実績がある。4Kとはいえ、これまで手がけてきた液晶テレビと生産工程はほとんど変わらない。最初の半年間で、部材を選定し、2016年12月には東芝製のメインボードを使用することに決めた。決め手となったのは画面の応答速度の速さだという。

激安4Kテレビを開発した寺尾氏(右)と水橋氏(左)。これまでも液晶テレビを担当してきた(記者撮影)

メインボードとは、レグザの商品を展開している東芝映像ソリューションズが外販しているテレビ受信システム「デジタルボード」のことだ。

ただし、本家のレグザと異なり、多少機能が落ちるのは事実だ。レグザの最新モデルに搭載されている4Kアップコンバート(4K画質でない映像を4K相当に自動で変換する機能)がなかったり、HDR(ハイダイナミックレンジの略。明るいところをより明るくする機能)が非対応であったりする。

基本的には自社で商品を企画し、メインボード以外にも液晶パネルなどの部材を調達。生産を委託しているパートナー企業の中国工場で生産・組み立てを行ったという。

各店舗のバイヤー「本当に売れるのか?」

安さのために生産工程にもこだわった。「可能な限り工場が持っている部品を使う。金型を新しく作ったりせず、余計なデザイン費用をかけない」(寺尾氏)。物流面でも、中間業者を通さず自社の流通網で一括仕入れを行い、輸送コストを低減させている。

こうして完成した4Kテレビだが、仕入れ権限を持つ各店舗のバイヤーは半信半疑で「本当に売れるのか?」という声が多かったという。

ドンキは現場の責任者に仕入れの権限を大幅に委譲しており、各店舗の商品構成はそれぞれが決める個店経営が特徴だ。また、売り場は得意の「圧縮陳列」でスペースを効率化している。大型家電は単価が高いが、スペースをとる分、商品の回転が悪ければ販売効率は悪化する。各店のバイヤーは効率が落ちるのではないかと懸念したわけだ。

次ページ今後はテレビ以外も積極展開
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