では、なぜハッシュタグ検索をするのか。それは情報の「信頼度」が高いからです。今はググれば何でも出てくる時代。情報であふれているからこそ、より「信頼度」の高い情報に価値があるのです。
インスタの投稿は個人のものであり、個人の感想がリアルに書かれているもの。要は口コミです。私たち若い女性にとっては、口コミがいちばんの信頼できる情報なのです。私たちは「リアル」を求めているのです。
インスタはほかのSNSに比べ、「意識が高いSNS」というのも大きな特徴です。
TwitterやFacebookは文字がメインなのに比べ、インスタは写真を投稿するSNSなので、「人に(自分を)見られている」という意識がより強いのです。これは投稿する側にも、見る側にも共通する大きなポイントです。写真を投稿し、「いいね!」を押してもらう。「いいね!」がたくさん欲しいから、自分のいいところだけを「情報の取捨選択をして」発信する。そういう人が多い傾向にあります。発信する側が、情報のクオリティをより精査している、というとわかりやすいでしょうか。
だからインスタにはいつも「いい情報(口コミ)」があることになり、若い女性から支持を得ているのです。
ハッシュタグが、ビジネスの可能性を広げる
私がハッシュタグ使いが上手な方だなあと思うのは、ファッションブランド「Pui」のディレクター、Yuiさんです。自身のアカウント、ブランドのアカウントを合わせて3万5千人以上のフォロワーがいます。
Yuiさんが新作の情報を発信すると、毎回のように商品が完売。インスタでファンをつくり、集客できたことで、ファッションの聖地「ラフォーレ原宿」に期間限定ショップもオープンしました。Yuiさんのハッシュタグは、英語、カタカナなど、いろんな表記で細かく入れるなど、工夫されています。また、「ぷぃメイク」という独自のハッシュタグを作ることで、ファンの子が思わずそのハッシュタグをつけて投稿したくなる雰囲気をつくっています。
「今このハッシュタグがいちばん検索されているだろう」というハッシュタグをつけて投稿するのもいい方法です。わかりやすい例が「新作」です。とくにスターバックスの新作など、ファンの母数が多いブランドは情報を求めている人が多いので、反響も大きく自分のことを知ってもらえる可能性が広がります。
ただし、商品の写真をそのまま投稿するだけではダメです。私も最初の頃は、自分の顔は写さず、いかに早く新作をアップするかに徹し、「#スタバ #(新作名)」で検索した時に、人気投稿に入ることができました。でも、周りの写真と似たような雰囲気になってしまい、目立つことはできなかったのです。
そこで、商品と一緒に自分の写真を入れて、「他とは違う1枚」にしました。すると、なんと「いいね」の数が5000から10000以上に急増。それからは、スタバの新作が出るたびに、私のフォロワーも増えるようになりました。