指原莉乃が高評価するアイドル漫画家の正体 「ぺろりん先生」を知っていますか
アイドル界の超新星「ぺろりん先生」
ぺろりん先生をご存じだろうか? ベボガ! (虹のコンキスタドール黄組)というグループに所属する現役アイドル・鹿目凛の愛称だ。ツイッターやブログで描いたイラストやマンガが話題となる。あの指原莉乃が「すきです」というリプライを送ったことが評判を呼び、今やフォロワー7万人を超える強力発信者となった。『アイドルとヲタク大研究読本』(カンゼン)という、ぺろりん先生を案内人とするシリーズ本が2冊も出て、雑誌連載を月に3本持ち、先頃『週刊ヤングジャンプ』では水着写真と自筆カラーイラストが同時に載る(!)という快挙をやってのけた。今、急速に注目を集めるアイドル界の超新星である。
ぺろりん先生のマンガは、脱力的で一見、女の子のラクガキ風だが、これが実に深い。「ヲタ」のTシャツ男子は「無銭がっつき最高」と叫んでいたり、アイドルを見て「天使かよー」と泣いたり。または「今日はパパの誕生日」というアイドルに、「パパいくつ?」と訊くファン男性、そして「34歳」との答えに内心(「年下だ」と)ガックリきて、それに「?」とキョトン顔のアイドル……と、アイドルのライブや握手会の現場を知る者らには「あるある」なシーンが満載なのだ。アイドルに本気で恋してしまう「ガチ恋」や握手会などでくっつきたがる「接触厨」など、ことに濃いファンの生態や心理のこまやかな描写には舌を巻く。これは現役アイドルによる、イラストやマンガの形を借りたアイドル現場のルポルタージュであり、鋭い批評なのだ!とアイドル評論家である私はカルチャー・ショックを受けてしまった。これまでも絵を描くのが好きとか上手いとかのアイドルはいたろうが、ちょっとレベルが違う。まったく新しいアイドルの可能性を感じた。
ぺろりん先生こと鹿目凛は、小動物系のキュートなルックスで、前に出たがるより、”おずおずくん系”の人見知りキャラに見える。そんな女の子が現在進行形のアイドルとして日々生きて、アイドルの世界をジッと見つめ、「えっ、こんなことを考えてたのか!」という驚きが、ぺろりん先生のマンガにはある。いや〜、率直に言って「萌え」る♥ アイドル・鹿目凛と握手会などで接触するヲタたちは、「ああ、ボクのこと、ぺろりん先生に描かれちゃうかも⁉」とドキドキするんじゃないか?