こちらは、社会人になってからしっかりと伸ばしていけばよいし、受け入れる企業側もそのスタンスです。もし、学生時代にも伸ばしておこうと考えるならば、ゼミでの研究活動や卒業論文の執筆などを通じて鍛えておくこともよいと思います。
一方の「成熟度」とは、自分や他人を客観的に把握し自分を変えていく力、また、新しい環境を受け入れる柔軟性のことです。これらは実践的思考力を高めるための基本的な資質ともいえます。企業も、できれば学生のうちに高めておいてほしい、と願っているものです。
ではなぜ、「成熟度」が入社企業での定着、戦力化に必要なのでしょうか。
社会人になると自由が奪われる!?
学生の多くは自由を謳歌しています。好きな時間に起きて、とりたい授業をとり、苦手な人は避け、好きな人とだけ付き合うこともできます。しかし、社会人になるといきなり、これらの自由が奪われます。
会議の時間は決まっているし、やりたくない仕事もやらねばならない。仕事のうえでは苦手な人だからといって、避けて通るわけにはいきません。
この大きな変化への対応を分けるのが「成熟度」です。成熟度が高ければ、職場の環境や自分の状況を客観的に把握し、学生から社会人へと適応することができます。その結果、早くからさまざまな経験を積むことができ、「実践的思考力」をよりスピーディに高めることができます。
逆に「成熟度」が低いと、うまく職場環境に合わせ自分を変えていくことができずに、何のために働くのか意味が見いだせなくなったり、自己流を貫きすぎて成長の機会を逃したりしてしまうおそれもあります。
実際、企業からは、「いくらアドバイスしても、自分のやり方を曲げない」「目標設定はすばらしいのに自分のやり方に固執してしまい、かえって遠回りであることに気づいていない」などといった、若手社員への声が聞かれます。自覚のないままにこのような状態に陥っている若手社員が実は少なくないのです。
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