フェラーリ硬派マシンは長距離でも飽きない 「カリフォルニアT HS」はどんな車か

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乗っていて楽しいクルマには、それぞれに個性的な音と振動が備わっている。長時間ドライブには、そんな演出が欠かせない。特に、筆者のように車内でいっさい音楽を聞かないドライバーにとっては、マシンが奏でる音と振動が唯一のBGMなのだから。

もっとも、HSのエグゾーストノートにはちょっと不満があった。速度がおちてくると、急にくぐもったサウンドになってしまう。こもり気味の音など、自然吸気時代にはなかったものだから、ターボ化によるデメリットのひとつと言っていいのかも知れない。

フェラーリは地味な色で乗るのが格好いい

総じて快適といえたロングドライブを終えて、京都の街を走る。地味な色味がかえって気持ちいい。目立っているようで目立っていないような、そんな曖昧な感覚のほうが、フェラーリのように根っから陽性で派手なブランドにはかえって似合うと最近よく思う。自分で買うなら赤や黄は絶対に買わない。フェラーリは地味な色で乗るのが格好いい。

さすがに、街中ではちょっと硬かった。個人的にはじゅうぶん許せる範囲内だったけれども、これが嫌だと言う人もきっといるはず。基本的に街乗りが中心で、真剣に攻め込んだりしない、という人にはノーマル仕様をオススメしておく。

もちろん、リセールバリューを考えてHSパッケージを選ぶという考え方もあるけれど、色を決めるのと同様、売るときのために何かを我慢するなんてことは、実用車を買うならまだしも、フェラーリのような趣味のクルマには全くもって似合わない。本末転倒だ。赤いHSが好き、なんて人ばかりじゃツマラナイ。かといって、赤いフェラーリは減らないだろう。好きならそれはそれで、またいいわけだから。

毎日のように京都で乗っていた。赤い跳ね馬だと、そうはいかなかったように思う。そうそう毎日、元気ハツラツでドライブできるわけじゃない。どんなに好きだからって、赤い服を着たくない日だってある。その点、地味色フェラーリは、ちょうどいい。特に、街乗りからスポーツドライビングまで、すべてをこなしてくれるオールマイティなカリフォルニアT HSのようなモデルなら、尚さらだ。

京都のクルマ好きの友人連中やお金持ちのマダムたちにも、この渋いカラーコーデは大好評だった。

【今回のテストカー】
フェラーリ カリフォルニアT HS(ハンドリング・スペチアーレ)|Ferrari California T HS
長距離ドライブの快適性 ★★★★☆
京都の街中使い勝手 ★★★★☆
ラグジュアリー度 ★★★☆☆
コストパフォーマンス ★★★★★
うらやましがれ度 ★★★★★

 

(文:西川淳)

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