佐藤琢磨「自ら挑戦しないと運はつかめない」 日本人で初めてインディを制した男の真実

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:自転車競技から、レースの世界に入るきっかけとなったのは何だったんですか?

佐藤:たまたまレースの専門誌をみていたら、「鈴鹿サーキットレーシングスクール」の生徒募集案内のページが目に飛び込んできたんです。詳細を調べると“20歳までの入校に限る”って書いてあって。そのとき僕は19歳でしたから、翌年の入校が年齢制限ギリギリで、これはもう自分のためにあるようなもんだ、いくしかない! と。雑誌をみながら興奮しましたね(笑)。

:確かに「こんな道があったんだ!」ってなりますよね。一気に道が開けたような感じで。

佐藤:そうですね。自転車界から急に転身したように思われているようですが、自分の中では、これが本命でした。もともとずっとやりたかったレースの世界へようやくたどり着いた、いるべきところに戻った、っていう感覚なんですよね。

何もしなければ100%落とされる状況

:「鈴鹿サーキットレーシングスクール」には、すんなり入れたんですか?

佐藤:いえ、スクールの定員7人に対し70人の応募がありました。しかも、合否の決定は書類審査。まわりを見渡せば、レーシングカートのヨーロッパ選手権に参戦している子や、全日本カート最高峰クラスのチャンピオンもいるわけです。つまり冷静に考えれば、まったく経験もなく年齢もギリギリの僕は、書類だけだと100%アウトだと気づいたわけですよ……。これはマズいと思って、試験前に行われる説明会の質疑応答の際に「とにかく1分でいいから話を聞いてほしい」と、面接を嘆願したんです。

:かなり斬り込みましたね。でもそう簡単にはいきませんよね?

佐藤:僕も正直、どうなるかわかりませんでしたが、何もしなければ100%落とされる状況だったので、もう必死で。そしたら審査員側が協議してくれて、希望者は面接できることになったんです。

:ほかの受験者はザワつきますね(笑)。

佐藤:まわりは「何だあいつ」っていう感じでしたが、僕だけが「やった!!」って。1人で燃え上がっていたので、当然、その熱意は面接官に伝わりました。ふたを開けてみると、僕が唯一、モータースポーツ未経験者で入校できることになったんです。

:面接では、何か作戦があったんですか?

佐藤:純粋に「大学も自転車もすべて捨てて、これまでできなかった分、スクールで思い切りやりたいです。チャンスをください」と。それと、募集要項にはなかったのですが、履歴書とは別に、自分がどれだけレースが好きかという作文を勝手に送りつけて。

:それを読んでもらえたんですね?

佐藤:はい、読んでくれていた人が、面接官だったんです。「君が佐藤くんか、自転車はどう?」と。すごくうれしかったですね。

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