日本の不妊治療の現場に関する「2つの不安」

現場実務を担う「胚培養士」の実情

意外と知られていない不妊治療の現場の実態とは?(撮影:今井康一)

「顕微授精」に抱いたある疑問

ある不妊クリニックで治療を受けていた40代の夫婦。採卵後、胚培養士からカウンセリングがあった際、「顕微授精」にある疑問を抱いていたため、下記の質問をしてみたという。

「採卵した卵子に針を刺して、精子を入れて授精させるということに問題はないでしょうか」「運動しているというだけで精子は完璧なのでしょうか」

担当の胚培養士からは「まったく問題ありません」と自信にあふれた表情で即答され、安心したという。

「胚培養士」という言葉。初めて耳にする人も多いだろうが、実は不妊治療において胚培養士が重要な役割を担っている。

「治療方法の選択」「採卵」などは主に医師が行うが、「卵子と精子」を直接取り扱い、顕微授精に代表される「受精(授精)させる」ための技術を直接提供しているのは多くの場合、胚培養士なのだ。

その後の「受精卵や胚の培養」「移植前の胚凍結融解」などに関しても、この胚培養士が作業を行う。そのような重要な役割を担っている医療従事者である胚培養士だが、日本では医師や看護師と違って国家資格などの公的な資格ではなく、あくまでも学会が認定する資格である。

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