「食べログ」レビュアー騒動で真の問題は何か

有名レビュアー「口コミ」の影響力と信頼性

こうした加重平均の算出方法を採用したことには、信頼性の高いレビュアーの影響を大きくすることで、評価の吊り上げを目的にした大量投稿による点数操作などUGCによく見られる弱点をカバーする狙いもあっただろう。そうした食べログのサービス設計の下、年月が経つにつれて「うどんが主食」氏のような有名レビュアーの影響力が次第に大きくなってきたことが、今回の騒動の背景にあるのではないか。

「口コミ」の信頼性をどうやって担保するか

食べログでは現在、①口コミの専任チーム(数十人単位)による目視の全件確認という方法での監視、②レビュアー(口コミ投稿者)の実在性確認、③やらせ業者通報窓口の設置、を通じて、レビューの信頼性の担保・向上に向けた取り組みを継続しているという。②レビュアーの実在性確認では、カカクコムの食べログ運営メンバーが、全国で「定期オフ会」を開催し、レビュアーと会ってヒアリングも実施しているという。

しかし、多くの利用者を抱え、プラットフォームと化した食べログと有名レビュアーの影響力は、いまや絶大なものになっている。それを考えれば、レビューの信頼性の担保・向上には最大限の力を注ぐべきだろう。少なくとも、運営会社のカカクコムが今回、「うどんが主食」氏の一度非表示にしたレビューについて、再表示するかどうかの判断をまず本人に一任した形を取ったのは、ユーザーや飲食店にとっては信頼性の面から説明不十分だったと感じられる。

有名レビュアーの口コミの影響力が大きくなるサービス設計を採っているがために、今回のような問題が起きたと考えれば、食べログというサービスの構造問題だという見方もできる。何人もいる有名レビュアーの中から、似たような騒ぎがまた起きれば、食べログ全体の評判にも影響しかねない。

確かに、運営コストを抑えつつ全国規模の利用者をつかめば、大きな利益を稼げるところにネットサービスのうまみがある。しかし、一部の影響力が大きな有名レビュアーに限っては、飲食店との関係が不適切でないかの調査を積極的に行うなど、信頼性を客観的に担保するための仕組みづくりや、もっと踏み込んだ取り組みが必要な時期に入っているのではないか。

カカクコムにとって、サービスの運営コスト増につながるのは確かだとしても、食べログの信頼性を損なわないような仕組みづくりを進めていくことが、今こそ求められているはずだ。

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