「食べログ」レビュアー騒動で真の問題は何か

有名レビュアー「口コミ」の影響力と信頼性

カカクコムは取材に対して文書で回答。「今一度ご本人に全口コミの投稿状況を確認いただく必要があると判断し、その旨を同氏にもご連絡」したが、レビューが「多数にのぼり確認には時間がかかることから、6月9日(金)、弊社にて一度非表示にする対応を取らせていただきました」(カカクコム)と説明している。

その後、レビュー復活に至る経緯は、「『うどんが主食』氏ご本人に、誤解を招きかねない投稿ではなかったか等の観点から、ガイドライン上の問題があるか否かにかかわらず、改めて表現や投稿方法を見直したいと考える口コミがないかご確認をいただきました。その結果を受け、ご本人にお選びいただいた口コミについて6月15日(木)に再公開を実施しました」(カカクコム)としている。

食べログの「接待」に対する姿勢は明確だ。サイトに「口コミガイドライン」として「金品またはそれに相当するサービスを受けることを目的とした口コミの投稿は禁止しております。発覚した場合には、該当の口コミを即刻削除し、しかるべき処置を行う場合がございます」と記載。「通常利用でない場合は『通常利用外口コミ』にチェックを入れてご投稿ください」とも求めている。

「レビュアー」と「飲食店」との関係を把握する難しさ

その一方で、「うどんが主食」氏のレビューにおいて「接待などの利益供与を受けて書かれていたものはなかったのか」という質問に対して、カカクコムの文書回答では「レビュアーの方個々人と飲食店様とのご関係について、弊社として事実関係の完全な把握は難しいことから、食べログの外での諸々のご事情についてのお尋ねや仮定でのご質問については、コメントは控えさせていただきます」とするにとどまっている。

「うどんが主食」氏が「再表示」を選ばなかった約400件のレビューは、カカクコムの表現によれば、「ガイドライン上の問題があるか否かにかかわらず、改めて表現や投稿方法を見直したいと考える口コミ」だったということだが、結局、なぜ取り下げたのかははっきりしないままだ。

筆者は飲食店のコンサルティングを行っているが、今回の騒動に対する飲食店経営者の注目は極めて高かった。訪問するどこの店舗でも、必ず話題になった。なぜかというと、食べログで有力なレビュアーが、その店をどう評価しているかが、店にとっては文字どおりの死活問題になっている現状があるからだ。

先述したように、食べログの情報量は非常に膨大である。掲載されている85万店以上の飲食店から、訪れる店を選択するのは簡単なことではない。特に、飲食店が集中する繁華街、たとえば六本木や渋谷などでの店選びであれば、なおさらだ。そこで、カギになるのが、影響力の大きい投稿者である「有名レビュアー」である。

飲食店側が食べログに期待する効果はいくつかあるが、その中でも重要な1つに、有名レビュアーが「インフルエンサー」として、店の評判を高めてくれることがある。インフルエンサーとは、ネット上で影響力のある有名人のような存在のことだ。取り巻く「フォロワー」と呼ばれる人々にとって、オピニオンリーダーと言える存在であり、インフルエンサーが高い評価をしてくれれば「お墨付き」の店ということになる。反対に、低い評価であれば、行く価値のない店と考えることになる。

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