奈良の名門校は「読み聞かせ」で秀才を育てる 東大寺学園「雑談だらけ」の読書授業

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教室がまるで紙芝居小屋に変わったようだった(写真は筆者撮影)

教師の価値観こそが問われる授業

中1の週1時間の「読書」の時間について、松本教諭は次のように表現する。

「国語活動の中の自由な時間をもらっている感じがします」

松本教諭が東大寺学園の中学生だった頃には実施されていたというから、少なくとも40年以上の歴史がある。ただし、どんな教材を使い、どんな授業を展開するのかは、各教員に委ねられている。東大寺学園の出身ではない若い国語の教員がいきなり「読書」を担当させられたら、最初は戸惑うのではないか。

「読ませて、好きなようにしたらええんやと言うんですよ(笑)」

教科書に書かれていることをそのとおりに教えるのではなく、自分は生徒たちに何を伝えたいと思っているのか、それを伝えるためにはどんな教材を使ってどんな授業を展開すればいいのか、新任教師にとってはそんなことを一から考える訓練になるのだろう。それが教員の能力を覚醒することは想像に難くない。

教員が自由に、自分の信じる教育を行う。「読書」の授業は東大寺学園の学校文化の象徴のようでもある。

おおたとしまさ 教育ジャーナリスト

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Toshimasa Ota

「子どもが“パパ〜!”っていつでも抱きついてくれる期間なんてほんの数年。今、子どもと一緒にいられなかったら一生後悔する」と株式会社リクルートを脱サラ。育児・教育をテーマに執筆・講演活動を行う。著書は『名門校とは何か?』『ルポ 塾歴社会』など80冊以上。著書一覧はこちら

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