フランスが4万円スーツの大統領にお熱の訳 彼にとって一番のアピールポイントは何か

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大統領就任式に、あえて4万3000円の既製スーツを選んだマクロン。それでも、あざとく見えないのはなぜでしょうか(写真:写真:ロイター/アフロ)
“テーラーメードのスーツというのは、フィット感や張り感をあげる裏地のテクニカルな仕上げはもちろん、ボタン1つの手縫いまでこだわるものなのさ。その服のほうから主人に合わせる。その点、既製服は誰もが着こなせて、似合うわけではない。人を選ぶのさ”
             
~セバスチャン 英国老舗ブランドのテーラー

 

今や飛ぶ鳥を落とす勢いのフランス新大統領、エマニュエル・マクロン。先月14日、大統領就任式がパリ市内の大統領官邸、エリゼ宮で行われました。就任式のファッションがちょっとした話題となったのをご記憶の方も多いかもしれません。

就任式のファッションといえば、一般的に大統領よりもファーストレディに目が行くものですが、今回はそうではなかったのです。マダム・マクロン、ブリジットの場合は、2015年から契約でヴィトンのリースを受けており、当日もヴィトンの淡いブルーのスーツにキャプシーヌのバッグでした。これはまぁ順当です。

就任式に4万円の既製スーツで臨んだマクロン

話題となったのは、大統領ご本人のファッション。スーツはいつも愛用しているJonas&Cie、ブランドとはいえ350ユーロ(4万3000円)ほどの既製服だったのです。そりゃあ、前代未聞に違いありません。CNNでは即刻ニュースとして取り上げられるほどでした。

選挙戦期間中、対立候補だった中道右派のフランソワ・フィヨンのスーツときたら、パリの老舗テーラーで何万ユーロもするオーダーメードだったとか。「しかももらい物だったのよ」とパリマダたちはささやき合っていましたから、マクロンへの好感度はまたアップしました。

庶民的なのはスーツのみならず。パリ7区のマクロン行きつけの床屋さんのカット料金も37ユーロ(4500円程度)と庶民的。こうしたこまやかな演出も含め、相変わらず、マクロンが15歳のときに演劇部の顧問だったブリジットの“指導”は冴え渡っています。

言うまでもありませんが、ロスチャイルド銀行に勤めていた時代の莫大な報酬を思えば、マクロンには相当なる資産があると推測されます。いくらでも高いものを買えたでしょうに、一般ピーポーの服を身に着けるなんて、あざといと言われないのでしょうか。そうではなく、単にファッションに無頓着なだけ?

理由は別のところにあると思います。

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