外国人が日本に来て感じる「美徳と違和感」 きちんとしているけど、息苦しいときもある

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でも、日本の家族はちょっと違う感じがします。家族を心配させたくないからかもしれませんが、つらいことがあっても言わない。だからだんだん本音で話せなくなってしまって、家族っぽくなくなるのではないでしょうか。「家族ゲーム」のような家庭は結構増えていると聞きますが、とても気になります。これはあくまでもドラマですし、実際の家庭とは違っているかもしれませんが。

一方で、ギリシャ人の家族愛が強すぎて困ることもあります。その一例として「ギリシャ人はマザコンが多い」と言われています。

「お母さんの料理のほうがおいしい」だと!

たとえば、私の知り合いの20代後半のギリシャ人男性は、週末になると母親とコーヒーを飲みに行ったり、アイスを食べに行ったりと、毎週必ず一緒にどこかへ外出します。友人に誘われても母親との約束を優先するくらいですので、最近では、友人も気を使って彼をあまり誘わなくなってしまいました。

また、私の友人の旦那である30代の男性は、新婚ホヤホヤにもかかわらず、友人が何を作っても「お母さんの料理のほうがおいしい」と言うそう。しかも、実際にお母さんの住む実家にしょっちゅう帰っては、食事をすることも多いとか。これは、友人にとって大きなストレスになっているようです。

このように、ギリシャと日本はまったく特徴の異なる国ですが、だからこそ見えてくるものもあると思います。ギリシャ人としては、日本のように規律を大切にすることや他の人のことを思いやることなど、見習わなければならないことはたくさんあります。

ですが、ギリシャ人の目から見ると、日本人ももう少し肩の力を抜いたほうがよいのではないでしょうか。お互いがお互いのよいところを認め合い、取り入れていくことができれば、お互いに、よりよい社会を作っていけるかもしれませんね。

アナスタシア・新井・カチャントニ 通訳、翻訳家、ライター

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アナスタシア・アライ・カチャントニ / Anastasia Arai Katsantoni

ギリシャ生まれ。ギリシャの大学の専攻は物理だったが日本に興味を持ち、現在は通訳、翻訳家、コーディネーター、ライターとして活動。日本のポップカルチャーから伝統文化、料理まで、幅広い分野を研究。また、ギリシャで剣道を教える日本人の夫を手伝う傍ら、自らもギリシャ人に日本語を教え、日本の文化を伝えるべく奮闘中。現在はアテネ近郊に在住。ブログはこちら

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