ギリシャ問題、実は「宗教」に起因していた! 「地政学」で経済ニュースがよくわかる
なぜEUはギリシャを見捨てないのか?
近年ヨーロッパを揺るがしているギリシャの財政問題。ギリシャの財政は慢性的に破綻寸前なのに、なんだかんだと生き延びているのは、なぜでしょうか。
そこには、欧米諸国とロシアとの駆け引きがあります。
ロシア側から見れば、ギリシャは宗教が同じで、ともに正教会(東方教会)です。もともとは東ローマ帝国のキリスト教でした。ギリシャ文字からつくられたのがロシア文字(キリル文字)なので、文字までそっくり。文化的背景がよく似ているのです。
また、ギリシャは地中海に突き出た半島ですから、地政学的にも重要です。この場所にロシアの軍港をつくっておけば、「南下政策」もやりやすくなります。19世紀以降、ロシアはギリシャを始めとした、バルカン半島の国々になんだかんだと口を出し、介入してきました。
こうしたロシアの干渉を恐れたのが、イギリスとフランスです。
インドを植民地にしていたイギリスには、インドに行くための地中海ルートを確保したいという思惑がありました。この「インド・ルート」を確保するために、地中海と紅海を結ぶスエズ運河までつくったほどです。ですからイギリスやフランスは、ギリシャにロシア軍が進出してきたら困るのです。
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