ギリシャ問題、実は「宗教」に起因していた!

「地政学」で経済ニュースがよくわかる

財政赤字を抱えるギリシャの通貨ドラクマは国際的信用が低く、石油などを輸入するにはユーロのほうが有利です。しかしユーロ導入には、「財政赤字がGDPの3%以内」という基準があります。アテネ五輪を前にユーロ導入を急いだギリシャ政府は、国ぐるみの粉飾決算によって基準を満たし、ユーロ導入を果たしました。

政権交代によってこの事実が近年あきらかになり、ユーロそのものの信用失墜と暴落を引き起こした、これがユーロ危機です。

結局、ギリシャが垂れ流している赤字の穴埋めは、西欧諸国、特にドイツやフランスが負担しています。当然、両国の国民は「ふざけるな」と怒っています。しかし、ギリシャがロシア側に寝返るとやっかいなので見捨てられない、という構図です。

今度もギリシャは深刻な財政問題を抱えつつ、大国に助けてもらいながら、だらだらと延命されていくことになりそうです。

イタリア、スペインが財政赤字で苦しむ理由は?

財政赤字の問題を抱えているのは、ギリシャだけではありません。ギリシャに加えて、ポルトガル、イタリア、アイルランド、スペインも巨額の財政赤字を抱えていることが明らかになっています。

これら5カ国の頭文字をとってPIIGS(ピッグズ)と呼びます。

「イタリアは昔、ローマ帝国があんなにすごかったのに、今はなんでダメなの?」

とよく質問されますが、原因は宗教にあります。イタリアやスペイン、ポルトガルといった南ヨーロッパの国々が財政赤字に陥った原因は、彼らが信じるキリスト教のカトリック教会の教えにあるのです。

中世のカトリック教会は、「蓄財は罪」と教えました。だから、おカネが貯まったら教会に寄付することが奨励されていました。教会が販売する贖宥状(免罪符)というお札を購入すれば、罪をあがない、神の赦しを得ることができるというわけです。

「金儲けは罪」「教会に寄進をすれば救われる」という教えでは、頑張って、おカネを稼ごうというモチベーションが起こりません。蓄財より消費に励み、教会にどんどん寄進するような国民性が育まれていったのです。

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