外国人が日本に来て感じる「美徳と違和感」 きちんとしているけど、息苦しいときもある

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

私は「え? どうして?」と理解できませんでしたが、Sさんの指示で、2時間かけて資料のホチキスを外すことになりました。これがもう、つらくてつらくて。指先が血だらけになりました。正直なところ「紙なんてたった2ユーロで買えるのに、なんで?」というのが本音でした。しかし、何事もきっちり、そしてモノをムダにすることが嫌いな日本人も少なくないんだと今は理解しています。

さて、日本はすべてがきれいに整っている、そんな印象を受けますが、その中でも特に衝撃を受けたのは電車でした。細かく決められた時刻表どおりに運転し、定められた停車位置に必ず止まる。電車を待つ人は静かに列を作って待ち、乗り込む人は中から出てくる人を待ってから乗り込む。電車の中もとても静か。

最近は「列に割り込む人がいる」「駅構内で騒ぐ人がいる」など駅でのマナーが問題になっていると聞きましたが、そんなことが問題になってしまうくらい、日本はきちんとしているということの表れだと思います。

電車が時間どおりに来る!

先日、知り合いのギリシャ人6人を連れて、東京観光をしました。日本が初めての彼らは、電車の中がとても静かだったことに驚いていました。ギリシャでは、電車に乗っているときでも電話で話すのが当たり前です。

電車に乗ってしばらくしてから、1人がうっかり家族に電話をかけてしまいました。家族愛の強いギリシャ人ですから、どこにいても家族への連絡は欠かしません。もちろん大声で電話していたので、周囲の視線を感じて、私はとても恥ずかしい思いをしました。

時間どおりに電車が来るというのも驚きです。ギリシャにはそもそも時刻表がありません。日本語の先生から「日本で約束の時間に遅れても、電車が遅れたとは言わないで。すぐにバレちゃうから」と言われましたが、初めて時刻表を見たときは、すごく納得しました。なんせ1分単位のスケジュールなのですから。

次ページギリシャのびっくり電車事情
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事