外国人が日本に来て感じる「美徳と違和感」 きちんとしているけど、息苦しいときもある

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叔母は「どうなってんのよ! 私はひかれそうになったのよ」と注意しましたが、駅員に「それは私の責任ではない、あなたが確認しなかったのがいけない!」と逆ギレされたそう。自分に非がある場合、逆に怒って自分の責任をあいまいにするのはギリシャ人のよく使う手法です。

日本の鉄道でもうひとつ驚いたのは、「駅ナカ」です。まるで駅の中にデパートが入ってしまったような、便利ですてきな空間ですよね。先日、夫の祖母の家に行ったときには、お花を買っていきましたし、クリスマスの日にはチーズケーキを買って帰りました。ユニクロが入っているところも多いので、とても便利です。食事をするにも和・洋・中・エスニックとバラエティ豊富で飽きません。

ギリシャ人が感じる「違和感」

時間にも正確で、設備も整っている日本はすばらしい国だと思います。一方、全般的にのんびりしているギリシャ人から見ると、少し息苦しいと感じることも……。実際、私の夫も日本にいるときと、ギリシャにいるときでは「リラックス度合い」がだいぶ違います。具体的に言うと、日本にいるときは時間をすごく気にしているように映ります。特に目上の方と約束があるときは、「遅れてはいけない」と緊張しているみたいです。

日本はギリシャに比べて、家族とのだんらん時間が短いとも感じます。ギリシャの場合、週末ごとに集まっては一緒にランチを食べる家族が少なくありません。ギリシャ人はとにかく家族を大切にしますし、絆が強い。

日本での家族のあり方を最初に目の当たりにしたのは、「家族ゲーム」という日本のドラマをDVDで観たときです。日本の家族は大変だなと思いました。もうバラバラですよね。家族で話す時間は少ないし、悩み事もぜんぜん両親に相談しない。全然家族っぽくありませんでした。

私は、家族には失礼なことも言ってもいいのではないかと思っています。何でも話せる家族がいるから、この世界の中で自分は孤独じゃない。たとえケンカをしても、必ず家族は味方になってくれます。どちらが悪いかは関係ありません。家族はいつでも家族の味方。そう思うと心強いです。

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