【勝間和代氏・講演】利益の方程式~利益を生み出す黄金ルール(その1)

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RoppongiBIZ*東洋経済提携セミナー
「勝間式『利益の方程式』利益を生み出す黄金ルール」より
講師:勝間和代
2008年5月28日 六本木アカデミーヒルズ(東京)

●社員全員が共有すべき4つのバランス

 私はコンサルタントやアナリスト、会計士などいろいろなことをやっていたのですが、結局突き詰めますと、「どうやって利益って出すんですか」という一語に尽きることが分かりました。その中で最後にたどり着いたのが、利益=(顧客単価−顧客獲得コスト−顧客原価)×顧客数という簡単な式なのです。

 まず、この万能利益の方程式の解説をしていきます。私がマッキンゼーで先輩に習った言葉として、一番印象深いのは「時間で勝負」なのです。世の中の利益の大半は時間だと。要はビジネス・モデルとか参入障壁とか格好いいことをたくさん言うけれども、ほとんどの儲けの源泉というのは「速さ」だということを散々教えられました。どんなにいいビジネス・モデルであっても、どんなにいい商品であっても、いつかは普及してしまいますし、いつかは追いつかれるということ。ですので、儲かっているビジネスの根源は、大体8割方が「時間のアービトラージ」と習いましたが、時間を裁定しているだけだということなんですね。だからこそスピードが重要ですし、顧客単価・顧客獲得コスト・顧客原価・顧客数、この4つをコントロールすることが重要になるわけです。
 なぜかと言いますと、これも皆さんご存じだと思いますが、すべて良くすることは不可能だからです。顧客単価を上げれば、当然顧客数が減ります。顧客原価を下げれば、顧客獲得コストが上がります。では、広告費を使い過ぎたらどうでしょうか。確かに顧客数が増えるかもしれませんが、顧客獲得コストが上がります。あるいは顧客数を増やしていくと、貧民効果と呼んでいますが、段々と悪い顧客にアクセスしてくるようになり顧客単価が下がってきます。ですので、この4つのバランスをとりながら、いかに最適なリソース配分をするかということが、この利益の方程式の鍵になるわけです。

 実は、「利益の方程式」を出版したときに面白い反応がありました。そうではないかという仮説はあったのですが、企業のトップに近いほど評価が高く、逆に20代前半~30代前後の若い方ほど何でこんな当たり前のことを今さら言われなければいけないのかという評価の2つに分かれたんですね。この20代、30代がなぜ当たり前だと思うかというと、その方たちはご本人が全部を見る立場にないからなのですよ。一人ひとりが顧客原価や顧客獲得のところだけ、あるいは単価に近いところだけ見ているということで全体を俯瞰する仕組みが無いからなんですね。なので、私のお勧めとしては、会社によっては社内指標として埋め込まれているのですが、管理職の人も非管理職の人も、この4つのバランスというのを常に共有してウォッチができるような仕組みが必要だと考えています。
その2に続く、全7回)
勝間式「利益の方程式」
~ 商売は粉もの屋に学べ! ~

勝間和代 著
■価格:1,575円(税込)
著者考案の「万能利益の方程式」を活用し、あらゆる会社の利益を最大化する方法を解説。4つのルールと40の行動習慣で学ぶ「サラリーマンでもわかる利益の作り方勉強法です。

勝間和代(かつま・かずよ)
経営コンサルタント、証券アナリスト、公認会計士などを経て独立。2005年にウォール・ストリート・ジャーナルの「世界で注目したい50人の女性」に選出されるほか、2006年にはエイボン女性大賞を最年少で受賞。著書印税チャリティ活動「Chabo!」を発起し、教育・自立支援活動も精力的に展開している。著書に『勝間和代のインディペンデントな生き方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)など
http://kazuyomugi.cocolog-nifty.com/private/
(勝間和代公式ブログ)
http://www.jen-npo.org/chabo/(Chabo!公式サイト)
http://www.jen-npo.org/chabo/chablog/(Chabo!ブログ)
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