会社幹部はお坊さん、兼業僧侶の密かな野望 朝6時のお勤めで疲れた心と体をリセット

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お坊さんであることがビジネスに生かされるのと同時に、ビジネスマンであることがお寺の将来にもいい影響を及ぼすと、教瑞さんは考える。

「ビジネスシーンで私がお坊さんであることを告げると、99%の人が興味を持ってくれます。あくまでも感覚値ですが、お坊さんは社会から決して嫌われていません(笑)。常日頃からお寺に行く機会はないという方は多いのですが、私と出会ったことでお寺や仏教に興味を持ってくださる方も少なからずいらっしゃいます。実際、日本橋のお寺に来てくださる方もいらっしゃいます。

「お坊さんであると告げると、99%の人は興味を持ってくれる」と教瑞さん(提供:藤井教瑞氏)

お寺に求められているのは精神的な癒しです。それはどんなに時代が変わり、IT化が進んでも変わりになるものはありません。ですから私は、お寺と皆さんを「つなぐ」ことが大切だと考え、英語と日本語を併記したお寺と神社のポータルサイトも作っている最中です。

世界中に日本仏教の歴史、建築の美しさ、精神のあり方を発信できるコンテンツが作れるよう、英語でのアカデミックライティングも勉強中です。点と点をつないで、境界線を超えることができるように、お坊さんとWEBの世界の両視点で頑張ります」(教瑞さん)

ビジネスパーソンは時間に追われ過ぎている

最後に、聖と俗を行き来する教瑞さんに、日本のビジネスパーソンへのアドバイスを聞いてみた。

「おそらく、みなさん時間に追われ過ぎているのだと思います。ほんの少しでも自分と向き合い、頭と心をリセットできる時間を持てると、心に余裕が持てるようになります。人間は前のめりになると視野か狭くなってしまいます。一呼吸して、一歩引いて見てみるといろんなことが見えてくるはず。私も朝のお勤めに救われています。ぜひ、心を落ち着けられるお寺にも足を運んでみてください」(教瑞さん)

島田 ゆかり ライター

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しまだゆかり / yukari shimada

月刊誌・企業広報誌などの編集を経て、フリーランスのライターに。寺社好きが高じ、お寺業界の様々なトレンド、裏事情などを取材、発信。ほか、女性のライフスタイルなどの企画・編集・執筆も手がける。

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