長寿ヒット「グラブル」生んだゲーム会社の妙 サイバーエージェントの「親孝行子会社」とは

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Cygamesが展開するゲーム『ShadowVerse(シャドウバース)』。日本と韓国のユーザー同士が対戦するイベントが、5月に韓国で行われた(写真:Inven提供)

急激な拡大フェーズが終わりを迎え、成熟感が増してきたスマートフォン向けゲーム市場。エンジニア不足や開発費の高騰を苦にして、事業縮小や撤退を余儀なくされる企業も少なくない。そんな中で異色の成長を遂げている企業がある。サイバーエージェント傘下のCygames(サイゲームス)だ。

同社は『進撃のバハムート』に始まり、「グラブってる?」のCMで知られる『グランブルーファンタジー』や『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ』(バンダイナムコエンターテインメントとの共同開発・運営)、『Shadowverse(シャドウバース)』など続々とヒットを飛ばしてきた。

2011年の創業からわずか6期目で売上高780億円、経常利益233億円(2016年9月期)を稼ぐ企業へ成長。この経常利益額は、サイバーエージェントが同年度に稼いだ額(353億円)の実に6割以上を占める。

サイバーエージェントの”虎の子”企業

サイバーエージェントといえば、インターネット広告代理を祖業に多方面で成長してきた国内有数のIT企業。足元ではネット放送局「Abema(アベマ)TV」の育成に力を注いでおり、番組制作・調達などの費用として、今2017年9月期は200億円を投じる。それでも今期は全社で300億円近い営業利益を見込む。広告事業やゲーム事業の好調があるからだ。

「一般的なスマホゲームのイメージとは裏腹に、うちのゲームは一度人気が出ると、その後長期にわたって遊んでもらえる傾向にある」。サイバーエージェントの藤田晋社長は、5月に行われた2017年度中間決算説明会の場で自社のゲーム事業について自信を語っていた。

サイゲームスの木村唯人・常務取締役(撮影:今井康一)

苦戦を強いられるスマホゲーム企業が多い中、サイゲームスが着実に成長を続けているのはなぜか。創業期からプロデューサーを務め、急成長を支えてきた同社の木村唯人・常務取締役が挙げるのは「社内でゲームの開発と運営のチームを分けず、開発に携わったメンバーがそのまま運営に回るという手法を採っている」という点だ。

スマホゲームの開発には、開発と運営のチームを完全に分ける手法と、サイゲームスのように一体化する手法がある。チームを分ける場合、開発陣は開発のことだけに集中できる。そのため、たくさんのゲームを作り、コンスタントに出していくのに適している。

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