長寿ヒット「グラブル」生んだゲーム会社の妙

サイバーエージェントの「親孝行子会社」とは

一方、開発チームがそのまま運営チームに移行する形式を採る場合、開発やリリースのスピードや数を追うのは前者の手法より難しい。ただリリース当初からゲームの特性を熟知したメンバーが運営に携わるため、ゲーム内での新機能追加やイベントなどをユーザーの利用状況に応じて的確な時期に実施できる。これが、より長く遊んでもらうための工夫だといえる。

新作が出ればリリース直後には一定の売り上げを稼げることから、年間の投入本数やスケジュールを重視している会社は少なくない。だがサイゲームスは、「毎年継続的に新作を何本出すとか、そういう目標は決めていない。3本出る年があれば、1本も出ない年もある」(木村常務)という。

目指すのは”平均点がめちゃくちゃ高いゲーム”

リリースから3年経ってもヒットが続く『グランブルーファンタジー』(© Cygames, Inc.)

サイゲームスが目指すのは、「ゲーム性、ストーリー性、操作性、グラフィック、音楽など、どこを切り取ってもすごいと思える、”平均点がめちゃくちゃ高いゲーム”だ」と木村常務は話す。そうしたものを世に出せる準備ができていないまま、新作を無理に出したりはしないのだという。

「ソーシャルゲームの寿命は3年程度とよく言われるが、僕自身はそんなふうに思ったことはないし、それを念頭にゲームを作ったこともない。新作でなくても2年目、3年目になって伸びる兆しが見えるゲームもある。そういうものが出てきたら、そこに力を注ごうという判断もしている」(木村常務)

この判断は実際に成果に結びついている。『グランブルーファンタジー』はリリースから3年以上が経過しているが、米アップルのiOS・アップストアで、ゲーム部門のトップセールスランキング30位以内に入り続けている(2017年4月時点)のだ。

そんなサイゲームスが目下力を注ぐのが、海外での事業展開だ。2016年6月に提供を開始したスマホカードバトルゲーム『シャドウバース』は、当初から日本語版と英語版を用意した。

今年2月には韓国語版、5月には中国語(繁体字)版を投入し、150カ国以上で遊べるようにした。直近では現地でユーザー参加型イベントを実施するなど、認知度の向上を図っている。

次ページ韓国では新たな事業展開
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