死に至る「恐怖の肺炎」引き起こす意外な要因 誤嚥性肺炎のリスクは注意次第で軽減できる
誤嚥性肺炎は、発熱やせき込み、嘔吐(おうと)などのわかりやすい症状となって表れないことが多いです。そのため肺炎が進行し、重症化してから誤嚥性肺炎に気づくことも少なくありません。ですが、しっかりと周囲の人が観察したり、本人が自分自身の身体状況を確認したりすることで、早めに気づくことができることもあります。次のような状態が見られるときは、誤嚥性肺炎を疑ってみることもできるでしょう。
・食事に時間がかかるようになった。
・食事中など、むせる回数が増えた。
・のどの奥からゴロゴロという音が聞こえることがある。
・痰(たん)が増えた。痰の色が濃くなったり粘度が高くなったりしている。
・体がだるいように感じる。
重症化すると?
誤嚥性肺炎の初期症状は気づきにくいことが多いです。そのため、治療をしないまま放置して重症化してしまうこともあります。重症化すると呼吸困難になったり、低酸素状態による意識障害が見られたりすることもあります。
誤嚥性肺炎は、肺内の細菌感染による疾病です。細菌を死滅させる抗菌薬を投与することで治療を進めていくことができます。ただし、誤嚥性肺炎は再発しやすい病気です。そのため、何度も抗菌薬治療を行うことで抗菌薬に対する耐性ができてしまい、徐々に抗菌薬が効かなくなってしまうこともあります。
重症化すると死にも至る誤嚥性肺炎ですが、口腔ケアをしっかりと行うことで予防することができます。
1度、誤嚥性肺炎で入院すると、入院中に体力の低下を伴うため、その後も再発しやすくなります。そのため、誤嚥性肺炎になる前から、口腔ケアによる予防が非常に大切になってきます。
口腔ケアをしっかりとしていないと、虫歯や歯周病を引き起こす細菌が口内に多数存在するようになってしまいます。1日に3回、食後にしっかりと歯のブラッシングをすることや歯茎や舌などに食べ物カスが残らないようにゆすぐことが大切です。また、1日に1回は歯と歯のすき間をデンタルフロスや歯間ブラシなどを使って掃除しましょう。
それに加えて、専門家によるケアも必要になります。歯と歯茎の間に歯垢(プラーク)が付着したままで放置しておくと歯石となり、歯ブラシによるブラッシングでは落とせないようになってしまいます。2~3カ月に1度は歯医者に出かけ、虫歯と歯周病のチェックと歯のクリーニングを実施しましょう。
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