「美容医療」のトラブルが一向に絶えないワケ

法規制の抜け穴が強引な契約をのさばらせる

実はエステ店と美容医療では法規制に大きな違いがある。エステ店は、特定商取引法で利用者の保護が図られているが、美容医療には契約を縛る法律がない。

エステの場合、たとえば無料体験に行って強引なセールストークに根負けして契約を結んでも、法律上はクーリングオフが認められている。クーリングオフとは、契約書面を受け取ってから8日以内は理由なく契約を解除できるという制度だ。支払った代金は原則返還され、すでにサービスが始まっていても代金を支払う必要がなくなる。

クーリングオフの期間を過ぎていたとしても、途中で解約をすることも法律上認められている。解約を認めない契約は法律違反で無効となる。

消費者の無知に付け込んだ不誠実なビジネス

ところが、同じ痩身(そうしん)というジャンルのサービスであっても、医療機関側に有利なように中途解約を認めない契約内容であれば、原則解約はできなくなってしまう。

エステから美容外科への紹介はこういった法律の穴を利用しているという疑いがある。厚生労働省と消費者庁がそろって実態調査に乗り出す理由も、消費者の無知に付け込んだ不誠実なビジネスが行われている可能性があるからだろう。

美容医療は以前からエステと同様に特定商取引法の規制をかけるべきではないかとされてきた。特定商取引法が適用される業種は限定されるが、新たに美容医療を加えようとする法改正作業が進められており、本年中にも施行される予定だ。

この法律が施行されると、エステの契約と同様、美容医療で行う痩身や歯のホワイトニングなどについてもクーリングオフや中途解約などが認められるようになる。

クーリングオフをすると特に理由がなくても契約を解除できることになるが、業者としては何かと理由をつけてクーリングオフをさせまいとしてくる場合もある。

次ページエステにおいても、クーリングオフの場面で何かと問題に
ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
  • 最新の週刊東洋経済
  • コロナ後を生き抜く
  • 読んでナットク経済学「キホンのき」
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
コロナ徹底検証<br>日本は第2波に耐えられるか

米国やブラジルでは新型コロナウイルスの感染拡大が続いていますが、日本は感染者も死者も圧倒的に少ない。その理由はいったいどこにあるのでしょうか。政策面、医療面から「第1波」との戦いを検証。「第2波」への適切な備え方を考えます。