対立せずに主張を通す?スイス人の処世術 もめず、生き残るために、ここまでやる!

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話の伝え方にもいろいろあると思うのです。アメリカは直接的、日本は間接的。スイスは中間です。みんなが納得するように柔らかく進めますが、しかしながらYesはYes、NoはNo、とはっきりしています。

ドイツはすぐにNOと言い、日本はなかなか結論を言いませんが、スイスでは気を使って話をスタートさせながらも、伝えなければいけないYes、Noは明確に伝えます。日本のように「検討します」と言って相手に察してもらおうというのは、スイスではしてはいけません。

プライバシーに敏感なお国柄

スイス人が大切にすることは、信頼関係、質の高さ、時間厳守、コミットメント、熱意、イノベーションです。

時間は10時に待ち合わせと言われたら10時に行かないといけません。10時前もダメです。コミットメントも大切にされるので、「やる」と言ったことは行います。

スイスフレンチ、スイスイタリアンはラテン系だと言われてとても革新的で、時間感覚は少し緩いラテン系、スイスジャーマンはもっと厳格で時間厳守、保守的ですね。

すべての地域に共通するのは、大切なことは明確に伝えること。そして他人のプライバシーは尊重することです。スイス人はその人のプライベートを尊重して、有名人に外で会ってもあまり写真やサインをもらうために駆け寄ることはしません。だから多くの有名人がスイスに住みたがるのですよ。ほかの会社の状況なども固有名詞を出しておおっぴらに話をすることはしませんし、個人のプライベートなこと、たとえば宗教の話や税金、お給料、健康については聞きませんね。

――しぐさなどで控えたほうがいいことはありますか?

ピドゥさん:スイスフレンチ、スイスイタリアンなどはジェスチャーが大きく、フランス人やイタリア人に近いです。でもスイスジャーマンは保守的なので、ラテン系の雰囲気はまじめではないと思われます。と言っても、日本人はそれよりもさらに堅いので、もう少しリラックしたほうがいいぐらいですが(笑)。

――あいさつなどは地域によって異なりますか?

ピドゥさん:スイスフレンチやスイスイタリアンは初対面でも女性同士や男性と女性ではほっぺたにキスを3回します。男性同士は握手ですね。「こんにちは」と言いながらそっと腕に触ったりもするのですが、日本で1度女性にしたら、びっくりされてしまいました。スイスジャーマンでは握手だけです。

――ヨーロッパでは鼻をすすることは失礼とされていますね。

ピドゥさん:はい、とても失礼です。音を立てて食事をすることもダメです。鼻をすするのは小さい子どもぐらいで、子どもでも「鼻をかみなさい」としつけられます。

――最初にヨーロッパに行ったときには、皆さんすごい音で鼻をかむのでびっくりしました。

ピドゥさん:鼻をかむことは当たり前です。日本では鼻をすすってもいいけれど、人前で鼻をかむことはあまりよい印象を与えないので逆ですね。

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