マナーで言えば、ランチミーティングなどでお昼でもワインやビールを飲みます。たくさん飲むわけではなく、数杯ぐらい。日本でコーヒーを飲むのと同じ感覚です。
スイスの会社はグローバルなので、さまざまな国の人が働いていますが、その人たちもスイスのやり方になじまなければいけません。言葉が近いドイツやフランスの人であっても、スイスで成功したければスイス流の雰囲気になる必要があります。
話す言語は、3~6カ国語!
――地域によって言葉が違いますが、ビジネスレターなどは何語を使いますか?
ピドゥさん:日本の企業であれば英語でも構いませんが、スイス人同士ではもちろん英語は使いません。E-mailもフランス語圏だとフランス語などその地域での言語を使います。商品には必ず3つの言語で説明を書きます。
――たとえばスイス国内において、フランス語圏の従業員がドイツ語圏に行ったら、ドイツ語を話さなければいけないのですか? ピドゥさんは何語を話されますか?
ピドゥさん:言語圏が変わったら、その地域の言葉を話さなければいけません。私はフランス語圏出身なのでフランス語を通常話しますが、それ以外にドイツ語、スイスのドイツ語、イタリア語、英語、そして日本語も話します。
――ドイツ語とスイスのドイツ語は違うのですか?
ピドゥさん:違います。スイスのドイツ語は書き言葉ではなく、話し言葉です。学校で習うのはドイツのドイツ語で、書くときはドイツ語を書きます。だからスイスジャーマンはドイツ語を理解しますが、ドイツ人はスイスジャーマンを理解できません。
――日本で言えば津軽弁、沖縄などの方言のようなものでしょうか。
ピドゥさん:そうです。スイスフレンチは90%はフランスと同じフランス語で、スイスイタリアンもイタリア語なのですが、スイスジャーマンだけが違うのです。
――ロマンシュ語はどうですか?
ピドゥさん:ロマンシュ語は言語地図でみれば地域は広いのですが、山が多いので話す人口は少ないのです。また、ロマンシュ語だけを話す人はいなくて、スイスジャーマンを話します。
――スイスで商品を開発して3カ国語で記載すれば、ほかの国にもそのまま輸出できますね。
ピドゥさん:そうなのです。実はスイスに商品のマーケティングをしたり、テストをする拠点を置く企業が多く、スイスはテストマーケットなのです。ひとつの国の中で3つの言語地域の好みや特性を知ることができます。スイスはEUには加盟していませんが、フリートレード(自由貿易協定)を結んでいるのでEU諸国にも輸出が簡単です。
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