車椅子バスケ、千脇選手を覚醒させた出会い 脊髄損傷で一時は自暴自棄になったが…
キーワードを基に様々なジャンルのフロントランナーからビジネスのヒントを聞く「飛躍のアルゴリズム」。今回は車椅子バスケットのリオパラリンピック代表・千脇貢選手。脊髄損傷の事故後、自暴自棄になったこともあるという千脇選手を変えたのは何だったのか。
千脇選手は、1981年生まれの35歳。身長185センチ、腕回りは47センチ、高校生の時にスノーボードの事故で脊髄を損傷し、車椅子での生活となる。その後、車椅子バスケットに出会い、2014年、32歳の時に日本代表に選ばれ、2016年のリオパラリンピックでは日本代表の原動力となった。パラリンピック後は、1週間もたたないうちに舞台をドイツに移し、先月まではブンデスリーガでも活躍していた。
屈強な肉体が生む、繊細なターン
――いま、千脇選手が乗っていらっしゃるのが競技用の車椅子ですが、通常のものとどういった点が違うんでしょうか。
まず、キャンバー(タイヤ部分の傾き)というものがついていて、普段用の車いすよりかはターンがしやすかったり、競技用なのでかなり頑丈につくられているので、激しい当たりでも壊れにくいというのがあります。
――この場でそのターンを見せていただくことは可能でしょうか。
はい(車椅子のままクルッと1回転。非常にコンパクトに回転できる)。
――軽快ですね。それを動かしているのは千脇選手の47センチの腕、すごい迫力ですね。衝突もあったりする激しいスポーツの中で、屈強な体というのは大事なんですね。
やはり国内だけではなくて、国外に出て行くには強じんな肉体は必要になるかなとは思っています。